第十二話 第四十部 反撃の勢い
府中「よっしゃ! ここから抑えていくぜ!」
芦毛「俺も守りきってやるぜ!」
みんなのムードが最高潮まで達した。とくに芦毛先輩は同点、勝ち越しが出来て本当に嬉しそうだった。そして七回の表の守備が始まった。相手は五番の早田からの打順だ。これから下位打線にむかっていく。それを考えれば気持ちが楽になってくる。がんばってください!
早田「(俺が助けてやらなきゃ何も始まらねえ!)」
シュゴオオオ バシーン! ボールワン
府中「いいよいいよ! いい球来てる!」
府中先輩の言う通り、ものすごく勢いのある球が投げられていた。この勢いのままなら後続もしっかりと抑えられるだろう。
シュルルルル
早田「(打ってあいつを楽にさせないと!)」
ギィイイイン
卜部「くそっ!」
ズザザザザザ
近沢「よっしゃ抜けた!」
相手の気持ちも負けムードになっていない。むしろ逆転してやるという気持ちが伝わってくる。ここまで来たからには甲子園に行きたいという気持ちがあふれているのだろう。簡単には抑えられなさそうだ。
早田「萩! 俺たちはあきらめてないぜ! この回で逆転だ!」
萩「……っしゃあああ!!」
相手の投手でもある萩が気合を入れてバッターボックスに入った。芦毛先輩はそれをにらみつけるように見る。勢いに乗せる前に断ち切りたいところだ。




