第四話 第七部 基本。
あともう少しだろうか、先に真希たちの姿が見える。もう少しでゴールだ。でも瞳は私よりかなり前にいる。ちょっとこの状況では抜くことは不可能だ。でも後ろには芦毛先輩たちもついてきている。おもいっきり走って逃げ切るしかない。
ゴール地点
瞳「ごぉーる!」
三由「はやっ、野球部置いてけぼりじゃん!」
真希「ジャグ、用意しておいたからね。」
瞳「ありがとう。」
美琴「よく倒れないね。疲れていないの?」
瞳「え? 疲れてないよ。」
深沢「いわゆるスタミナおばけだな。」
瞳「私、おばけじゃないですよ?」
深沢「いや、そういう意味ではなくてだな…。」
真希「あ、亜弓だ。」
私はやっとゴールした。瞳はすでにスポーツドリンクを口に含んでいた。結果としては二位だったけれども、私的には納得しなかった。
真希「お疲れ様、ジャグ用意してあるから飲んでね。」
亜弓「ありがとう。」
私はふらつく足を何とか前に踏み出すようにしてジャグの場所までたどり着いた。コップについで飲んだスポーツドリンクは燃料が捕球されていくように体に染み渡っていった。
瞳「お疲れ様、亜弓。」
亜弓「ありがとう、早すぎだよ瞳。」
瞳「そんなことないよ。」
亜弓「でもなんで立っていられるの? 私もう座っていないといられないよ。」
瞳「うーん、走りこみだと思うよ。走って走って走りこむ。これはどの運動で基本とも言えることだけど、基本というのが一番重要になってくるんだ。」
亜弓「基本かぁ。私結構走りこみはしてるのだけどね。」
瞳「走りこみといってもいろいろと工夫をすればどんどん良くなっていくと思うよ。頑張って。」
亜弓「ありがとう。」
基本が忠実…。基本がしっかりできていないと、すごくはなれないのか…。




