第十二話 第三十一部 勢いにのせて
府中「中山、大丈夫か。」
中山「ああ、問題ないっす。たいしたことないっす。申し訳ないっす、怪我で交代してしまって。」
府中「怪我は誰にだってあるさ。ここは俺たちで逆転してみせるさ。」
日下部「府中、お前がキーポイントになるんだぞ。確実に点を取っていこう。」
府中「わかりました。」
芦毛「そのためなら俺たちも塁にでなきゃな。」
この回は芦毛先輩からの打撃になる。気合が入っている芦毛先輩ならヒットを打ってくれるだろう。でも相手投手はどんどん調子をあげてきている。そんな中ヒットを打つのは本当に難しいことだ。
萩「ふぅ。よっしゃあ!」
相手投手が声をあげて気合を入れていた。どうやって攻めていくのだろうか。
シュゴオオオ バシーン!
ストライクワン!
早田「ナイスボール!」
近沢「球走っているな!」
芦毛先輩はストレートをしっかりと見てきた。球筋を把握したのだろうか。でも相手は上がり調子の投手、波に乗らせてはいけない。
ググググッ バシン
ボールワン
府中「芦毛、落ち着いているな。これなら問題なさそうだ。」
芦毛先輩が大きく深呼吸して構える。相手投手は笑いながら腕を上げる。
萩「らぁ!」
シュゴオオオオ
芦毛「(振りぬけ!)」
ギィイイイン
古木「わっ!」
サード右横の強い打球。サードは対応できずレフト前へと転がっていった。よし、先頭バッターが出た!
海鳳「ナイスバッティングです!」
卜部「さすがだぜ!」
芦毛先輩はベース上でガッツポーズをとった。ノーアウトランナー一塁でここまで不調の栗山先輩に打順が回ってきた。
日下部「栗山!」
栗山「はいっ!」
日下部「思いっきり振りぬいて来い! お前ならできるはずだ!」
栗山「監督…わかりました!」
監督に声をかけてもらって気合の入った栗山先輩はバットを長くもってバッターボックスに入った。私たちも信じて応援している。栗山先輩ならできます!




