第十二話 第二十七部 テンションの高い相手投手
綾「みんな! 暑いけど選手のために精一杯応援しよう!」
優衣「そうだね、私たちも応援しよう!!」
久美「でもなんだろう。お菓子を食べながらあんなこと言っていても説得力があまりないように見えるのだけど…。」
香澄「いいじゃん! お菓子私も好きよ。」
萌「あつ…。ふぅ、がんばって応援しなきゃ。」
美和「態度変わったわね。暑い中本当にありがとう。」
新天がバッターボックスに入って五回の裏の攻撃が始まった。ピッチャーは気合を入れて投球動作に入った。
シュゴオオ バシーン!
萩「はっはっは! どうだこのストレートは! 気持ちいいぜ!」
ボールワン!
早田「力みすぎだバカ。」
萩「なにー!」
近沢「こっちに打たせてもいいんだぜ!」
相手のムードもかなりよさそうだ。気持ちでは向こうも負けてられないというのだろうか。どっちにしてもお互い負けられない試合ではある。最後まで戦いぬいて勝ってみせなければ!
ググググッ バスン ストライクワン!
新天「(いい球投げてくるな。当てるなら変化球よりストレートか?)」
シュゴオオオ ギィイイイン!
新天「(ちっ、ボール球。しかもフライか。)」
新天の打球はセンター前への大きなフライになった。センターはしっかりと落下地点に入って風を確認しながら捕球体勢に入る。
バシン アウト!
フライでアウトになった。ワンアウトランナーなしで次のバッターは由紀だ。由紀ならここの場面しっかりとヒットを打ってくるだろう。しかしまた極端な守備位置をとっている。由紀はこの場面を打破できるのだろうか。さっきはヒット打てたから今度こそうまくいくはず。
由紀「お願いしまーす! さあ来い!!」
「羽葉! 羽葉! かっせーかっせー羽葉!!」
スタンドから大きな応援が聞こえてくる由紀にかける期待はかなり大きい。きっとこの声援が由紀のバッティングを一押ししてくれるはず。
早田「(さっきのバッティングで打力はすべて把握させてもらった。この守備位置なら絶対にヒットにならない。)」
シュゴオオオ バシーン! ボールワン!
由紀「(球の勢いはいい感じね。狙うなら変化球。)」
シュゴオオオオ バシューン!
ボールツー!
萩「うーん、やりにくいな。」
シューーーー グンッ
由紀「これだ!」
ギィイイン!
早田「これを打つのかよ! やべえ、ライト!!」
富坂「俺が取る!!」
ダッ
ファーストが飛びついた。取れるかどうかギリギリだ。落ちてくれ!
ズサササササ…。
アウトー!!




