第四話 第六部 努力の先には…。
速すぎる。あの速さについていくなんて相当な体力がない限り無理だ。途中までついていけてもいずれはおいてかれるだろう。こんなのを見せ付けられたら、自信をなくしてしまうだろう。瞳は天才だ。才能だけで勝ちあがったただの天才ではない、努力の天才だ。きっと絵がすごく上手い真希だって、野球の上手な由紀だって努力の天才だ。
…それなら私だって負けてない。前にやった練習試合の結果だって、球の速さだって、あの自己流の投げ方だって、全部努力で掴み取ったものなんだ。だから私は瞳を追いかける。私は今目の前にある壁に立ち向かわなければならない。私も努力して、みなの目標となる人になってみせる!
そのころの由紀
由紀「あ、海鳳。いま私は何番手ぐらいにいると思う?」
海鳳「羽葉か。今俺たちは6・7番手ぐらいだと思うぜ。」
由紀「けっこう前にいるね。」
海鳳「でも日高たちの先頭集団はけっこう先にいるぞ。」
由紀「うちらも負けてられないね。よし、飛ばそう!」
マネージャーたち
真希「ジャグの用意終わりました!」
千恵美「そしたら自分のやりたい作業に入っていいよ。」
真希「分かりました!」
恵美「千恵美、保冷剤どこにしまってある?」
千恵美「クーラーボックスの左下の奥にあるよ。」
真希「さてとっ。」
ドサッ
三由「お、絵描くの?」
真希「はい。この山の風景を描こうかなと思っていまして。」
三由「パレットも用意してるなんて、本格的だね。」
真希「一応絵を描くための道具は一式そろっています。」
美琴「さすが、美術界で名がしられているだけあるよ。」
真希「いや、私はまだまだですよ。それより先輩たちもすごいじゃないですか。」
三由「えっ?」
真希「三由さんって、漫画で有名なリコールさんですよね。サイン会には私も足を運びましたし。」
三由「あら、私のペンネーム知っているんだ。光栄だね。おそらく、サイン会のときに私の顔を見たから覚えてくれていたのね。」
真希「はい、忘れるわけありませんよ。」
三由「まあ、うちの学校ってやけにすごい人が多いよね。美琴だって、アニメの声優やっているもんね。」
美琴「確かにやっているけど、私はまだまだ有名じゃないよ。」
三由「千恵美ちゃんは父が財閥の仕事をやっているしその後継者でもあるからねぇ。まさにお嬢様。」
美琴「恵美ちゃんの両親は日本一の学力を誇る日本国立大学出身で父親は政治家、母親は警視庁のエリート。恵美ちゃんもすでに将来が有望されている人だからねえ。」
三由「世の中にはすごい人たちがたくさんいるよね。」
真希「私たちも負けてられませんね。」