第十二話 第二部 オーダーと両手のぬくもり
府中「皆集まったか。いくぞ!!」
皆「はい!!」
部員とマネージャーが全員集まったところでバスに乗り始めた。いよいよ決勝の舞台となる球場に向かうのか。いままで戦ってきた球場なのに何かおおきなところに行くような気分になって緊張が始まった。そんな中、バスの中で監督が声をかけてきた。
日下部「よし、今のうちにオーダーを発表していくぞ。最後の試合は本当の総力戦になるだろう。いままで練習してきたものを全てぶつけてこい!」
皆「はい!」
日下部「一番セカンド卜部、二番キャッチャー府中、三番センター海鳳、四番ファースト池之宮、五番サード新天、六番レフト羽葉、七番ライト中山、八番ピッチャー芦毛、九番ショート栗山。以上だ、呼ばれなかった奴もいつでも出れるように準備しておけ!!」
皆「はい!」
日下部「特に投手はいつでも出れるように準備しておけ。」
投手も準備がある。私にも果たして登板機会が回ってくるのだろうか。もしまわってきたら…絶対に抑えてみせる!!
由紀「亜弓、もし何かあったら私が助けてあげるからね。」
亜弓「由紀? どうしたの急に。」
由紀「亜弓疲れているでしょ? だから…最大限に力を引き出せるように私が手伝ってあげるってこと。」
そういって由紀は私の両手を包むように握ってまじまじと見てきた。
由紀「…絶対優勝しよう。」
亜弓「…うん!!」
決勝の舞台までやってきたなら最高のプレーを見せて甲子園にいってみせる…。だから私たちは…負けない!!!




