第十一話 第三十一部 地面を力強く蹴りマウンドへ向かう
ツーアウト一塁でバッターは栗山先輩。チャンスはいくらだってありそう。その中で栗山先輩がどんなプレーを見せてくれるのだろうか。
理嗚「(9番だからって油断は禁物だぞ。)」
ピッチャーがセットポジションに入って足を上げる。
シュッ バシン! セーフ!!
まず一塁に牽制してきた。ややわかりにくいフォームで普通の選手なら戸惑わされるだろう。しかし友亀先輩はしっかりと観察していたおかげですぐに判断できた。そして再び足を上げて今度は投げた。
シュゴオオオ!!
栗山「勝負!」
コツン
卜部「よし走れ!」
栗山先輩がバントをした。サード線上の綺麗なバントだ。全力で栗山先輩が走る。
岸柳「まかせろ!!」
サードが突っ込んできてボールを素手で握ってそのままサイドスローでファーストに送球した。かなり肩が強い。
シューーバシーン!
アウトー!
岸柳「よっしゃ!」
理嗚「ナイスサード!!」
サードの好守備にやられてスリーアウトチェンジになった。けれどもこの回私の1点で勝ちこしに成功した。後は私が打たせなければ良いだけ。全部抑えてやる!
由紀「亜弓、後はたのむよ。ストレートなら絶対に抑えられるから。」
亜弓「ありがとう…いってきます!!!」
そういって私は力強く地面を蹴り、マウンドへ駆け足で移動した。次は6回の表、まだまだ投げきってみせる!
理嗚「次は…谷川先輩からですね。」
谷川「おう、まかせろ。」
真田「…すまねえ。俺のせいで。」
理嗚「何言ってるんすか先輩。まだ終わってないっすよ。」
真田「そうだな。」




