第十一話 第二十八部 二打席目の勝負
優衣「亜弓! 落ち着いてね!」
香澄「ファイトー!!」
久美「大丈夫、亜弓ならできる。」
萌「大丈夫かな…。」
美和「亜弓ちゃんね。さっきのがあるから…。」
私の出番だ。絶対に私で点を取ってみせなきゃ。そうじゃないと私も気がすまない。いける球は全部いく!
シュゴーーーー ズドーーン!
ボールワン!!
海鳳「よし! 見えてるぞ!」
深沢「落ち着いていけば必ず打てる。後は…相手次第だ。」
日下部「(ここは…賭けが必要だな。しかし今じゃない…。)」
シュゴーーーーー ズドーーン!
ボールツー!!
理嗚「いいよいいよ! いい球来てる!(さっき当てたのもあって戦いにくいか?)」
府中「狙うなら…変化球か?」
球は見えている感じ。この速さにも目がついていけるのか…。よし、これなら何がきても怖くない。
グググッ
スクリューだ。振っていけ!
ブン! バシーーン!
ストライクワン!
理嗚「おーけー! ナイスボール!」
かなりキレがあった。バットに当てられると思ってもダメだった。かなりの変化球を投げてくる…。試合は半ば。そろそろ決めに行かないと後々苦しくなる…その前に自分が決めないと!
日下部「(もう一度、勝負だ!)」
卜部「(まじかよ監督。)」
芦毛「(さっきの見ても出すのかい。)」
由紀「(わかった。亜弓、頼むよ。)」
サインはスクイズ。よし…今度こそ絶対に決めないと…ここという場面に決めなきゃ何も始まらないじゃないか。頑張れ私、絶対決められる!
理嗚「(……。)」
真田投手がサインにうなずいた。そして足を上げる。
沖田「ゴォ!!」
ダッ
理嗚「(来た!)」
私はすぐにバントの構えをする。そしてボールが放たれる。
シュッ!!
池之宮「外された!?」
由紀「(怪我しないで! 飛ばないで!)」
理嗚「(貰った!)」
私は外角の遠い場所に外されたボールに向かって飛びついた。ボールがドンドンとせまってくる。バットとボールが近くなっていく。
ギン! ガシャン!!!
ファールボール!!
ズザザザ…。




