第十一話 第二十五部 絶対的ストレート
池之宮「ちっ、やられたぜ。」
池之宮は悔しそうにベンチへと戻ってきた。そしてグローブをもってバンバンと叩いてから守りの位置に移動した。
池之宮「すまねぇ。次は必ずしっかりしたのを打つから。」
亜弓「大丈夫。それまで私も全部抑えてみせるから。」
由紀「任せて。私だって決めて見せるから。」
そういって由紀も守備位置に移動していった。私はマウンドに向かう途中、相手ベンチを見た。いままで戦ってきた中でもやっぱり粒ぞろいだ。それでも…私は勝たなければならない。あの埼玉明治にだって勝てた。しかも成長しているなら…なおさら! 抑えてみせる!
瞳「亜弓ちゃんの様子どうかな…。」
真希「問題ないように見えるね。」
千恵美「あの子は闘争心がすごいからきっとこの回も抑えてくれるでしょ。」
恵美「でも亜弓って前の試合も6回ぐらいからつかれ始めてない?」
美琴「心配ないよ。あの子は特訓してるから。いい結果を残してくれると思うよ。」
次のバッターは五番の倉持から。サインはストレート。もうここからは逃げられない。ストレートで押し切って勝つのみ!!
シュゴオオオオオ ブン! バシーーン!
ストライクワン!!
友亀「ナイスボール!(いいねぇ…衰えがなくなってきてる。)」
シュゴーーーー ブン! バシーーン! ストライクツー!
倉持「(なんだよ…ビデオ見た限りではこの回から疲れてくるはずなのに…。元気じゃねえかよ畜生。)」
シュゴオオオオオ ブシィ!! ズバーーン!
ストライクバッターアウト!!
亜弓「っし!!」
倉持「(ボール球かよ!)」
この回も三振。これで12奪三振を奪った。よし、この調子で抑えていけば…!
シュゴオオオオ バシーーン!
ストライクバッターアウト!!!
境「ちっ!」
六番バッターも簡単に三球三振で抑えることができた。ボール球でも振ってくれるのは本当に嬉しい。それだけ球が伸びているということだろうか。でも次は注意すべき七番の但馬。気をつけていかないと。
友亀「(初球はストレートで低めに!)」
サインがきた。迷わずあのミットにストレートを思いっきり投げ込む!
シュゴオオオオオ
理嗚「(やはりストレート!)」
ブン!
バシーーン!
ストライクワン!!
いままでのバッターで一番ストレートにタイミングを合わせてきてる。運がよければ当たるかもしれない…。これはストレート以外も活用すべきだろうか…。
友亀「(次は外にストレート! 外れてもいい。)」
シュゴオオオオオ! バシーーン!
ボールワン!!
しっかりとボールを見てきた。球筋には合っていないみたいだけど、ボールは見えている。これは気をつけて戦っていかなければ…。




