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ドクターK少女  作者: レザレナ
第三話 紅白戦
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第三話 第十六部 祝福の言葉

友亀「ナイスピッチング!」

伊沢「よく粘ったな!」

海鳳「日高すげーぜ!」

 皆が声をかけて私のいるマウンドに向かってくる。そんな中一人だけ猛ダッシュで近いづいてくる…由紀だ。

由紀「ナイス亜弓! やっぱりできると信じていたよ!」

亜弓「きゃっ!」

 由紀が飛びついてきた。何か優勝してお祭り騒ぎのようなテンションだ。由紀ははなれると大きく深呼吸をして、面と向かって声をかけてきた。

由紀「お疲れ様。亜弓がこれで自信を持ってくれたなら嬉しいよ。」

 とても嬉しい言葉をもらった。やっぱりここまできたのも由紀のおかげかもしれない。

 その後は整列集合がかけられてお互いに挨拶をした。挨拶をした後私たちが戻ろうとすると、

沖田「あ、府中キャプテンと芦毛先輩だ。」

 沖田が皆に声をかけた。振り向くと府中キャプテンが近づいてきた。

府中「皆、お疲れ様。今日は試合をやったがとても良い試合だった。これからは皆が一緒のチームだ。甲子園目指してお互い頑張ろう。」

 皆が「はいっ。」と返事をすると二人の先輩が私に近づいて話しかけてきた。

府中「ナイスピッチング。」

芦毛「本当に良い球持っているな。後はスタミナだな。疲れていないようには見えたけど、足を見てみれば下半身が疲れているように見えたよ。下半身トレーニングをもっとやってみるといいぞ。」

亜弓「そうなんですか?」

府中「四回ぐらいからコントロールが悪くなってきただろう?その原因が下半身なんだ。踏み込む位置が少しずつバラバラになってきたからコントロールが乱れて来るんだ。それを防ぐには下半身トレーニングしかないな。」

亜弓「そうだったんですか…。」

芦毛「まぁそんなものは努力で直せるよ。俺は簡単にレギュラーは譲るわけには行かないけれども、こんなやつが入ってきては俺もあぶなくなってきたな。日高はいつかエースになれると思うぜ。これからは同じチーム同士だ、お互いに頑張ろう。」

亜弓「はいっ、よろしくお願いします。」

 そういって二人の先輩はベンチに帰っていった。アドバイスまでもらった。私もまだまだ直すべきところがたくさんあるってことが分かった。

池之宮「日高、俺も気づいたことあるんだけど。」

亜弓「えっ?」

池之宮「踏み込む大きさがバラバラになっているところもある。とくに三振を取ろうとしたときに大きくなる。下手したら一発を喰らってしまう可能性もあるから気をつけな。」

亜弓「ありがとう。」

新天「それと…良い意味で気づいたことなんだけど、日高の球が速いだけで降り遅れたり空振りしているわけではないと思うんだ。」

亜弓「えっ?」

由紀「お、気づいた?」

新天「ノビもすごいけれど、一番は球の出所が分からないピッチングが武器になっているのだと思う。」

亜弓「そうなの?」

新天「うん。投げ方を見ている限りそうとしかありえない。」

由紀「それに付け足して、球もちがとても良いんだ。だから三振をどんどん取れるってことにつながっていくと思うんだ。」

亜弓「そうだったんだ。」

府中「おーい、一年たち。ダウンしてあがっていいぞ。後は俺たちが使うし、一年生の時間がそろそろ終わる。」

 府中キャプテンが声をかけてきた。私たち一年は体験入部の期間の間だけは時間が制限されている。だから私たちは先輩たちよりも早く終えることになるのだ。

 私たちはダウンを行って荷物を片付けた。

府中「よし、そしたら着替え終わった人から帰っていいぞ。入部を決めた人は明日配られる入部届けを書いて担任に提出してくれ。シャワーは明日から使えるからな。池之宮、海鳳、友亀。お前らは残って一緒に練習だ。では解散!」

一年生「したっ!」

亜弓「さすがだね、あの三人は。」

由紀「まあ推薦組は残って練習だからねえ。私たちもいつか追いつくよ。」

 そういって私たちはバックを手に持って更衣室に移動しようとした。

府中「そういえば日高、羽葉、女子用のシャワー室も作っておくからな。最初は仮設用しかないがよろしくな。」

亜弓・羽葉「はい。」

瞳「おーい。」

 府中キャプテンが去ると同時に上から声が聞こえてきた。

真希「着替え終わったら校門前にいるからね。一緒に帰ろう。」

由紀「はいよー! 亜弓、さっさと着替えちゃおう。」

亜弓「あっ、まって!」

 私と由紀は急いで更衣室に移動して着替えた。シャワー無しで着替えると違和感を感じる。でも今日だけの辛抱だ。

 着替え終えると校門に向かっていった。そこには真希と瞳が待っていた。

真希「お疲れ様。はいこれ、ジュース。」

由紀「さんきゅ。」

亜弓「ありがとう。あれ? さっきまで一緒にいた人たちは?」

瞳「あの人たちはマネージャーの先輩たちだよ。二・三年生の手伝いをするから残っていくって。」

亜弓「そうなんだ。」

 プシュ

 私は真希と瞳がマネージャーの先輩について話しているのを聞きながら、ジュースを少しずつ飲んでいった。由紀は一気に飲んでしまったらしい。

由紀「ぷはぁ…。もう一個ない?」

真希「もうないよ。」

由紀「ちぇっ。」

瞳「ねぇねぇ、皆帰りってどっち方面なの?」

亜弓・由紀・真希「右側だよ。」

瞳「皆一緒だね。私も右側だよ。」

由紀「それじゃあ帰ろうか。」

真希「そういえばさっき由紀、試合終わったらダッシュで亜弓に抱きついていたよね。あれかわいかったなぁ。」

亜弓「もう、恥ずかしいよ。」

由紀「か、かわいい!?」

真希「え?うん。」

由紀「あわ、あわわわ/////。」

亜弓「あ。」

由紀「あれは違うの! ほらっそのっえっと…、お願い忘れてえぇええええ////!!」

 由紀は赤面しながら猛ダッシュで去っていった。


これで第三話が終了しました。 この後に大学特別編で大学野球大会の見所やドラフト候補(史実の内容ではなく、小説世界での中です) と 特別編 その後帰宅した亜弓と由紀のお話しを書きます。 四話からは合宿に入りたいと思います!

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