第十一話 第七部 重いストレート
卜部「(たしかにこいつはヤバイ。)」
ミットからものすごい音が出された。ものすごく重そうなストレートだ。そして速い、球速表示は143キロをマークしていた。
府中「(こいつは手ごわいな。)」
シューーーー
卜部「(ならこれで!)」
バントの構えをする。セフティーだ!
ギィン! ガシャン!
ファールボール!
想像以上に伸びたのだろうか、バットの上にあてて後ろのバックネットに当たった。バットが押されていた。
卜部「(いてえなこんちくしょう。)」
理嗚「(パワーは押されている感じか。なら…ストレートで三振だ。)」
大きく腕を上げて足を上げる。あのフォームはタイミングがとりやすいけど…とにかくでかいから打ちづらい。
シューーーー ブシン! バシーーン!
ストライクバッターアウト!
理嗚「ナイスー! ワンアウト!!」
前田「へいワンアウト!!」
卜部先輩は三振に倒れた。あのストレートは打つのが辛いだろう。次は二番の府中先輩が右バッターボックスに入った。力には力で対抗ということだろうか。
シューーーー バシーン!
ボールワン!
理嗚「(良く見たな。)」
府中「(なるほど、重いわけだ。)」
府中先輩はいたって冷静だ。さて、どのように打つのだろうか。
シュッ ググググ
池之宮「アレはフォーク。」
バシン!
ストライクワン!
フォークが投げられた。なかなか落ちるフォークで見分けが難しそうだ。
新天「高いところからのさらに落差のあるフォーク。なるほどね。」
しかし府中先輩はフォークを見ても表情何一つとも変えずに構えている。
理嗚「(こいつには小細工は効かないか。チッ、めんどくせえ。なら力で押していきましょう!)」
キャッチャーのサインにピッチャーの真田はうなづいた。そして大きく振りかぶって投げる。
シュッ
府中「(ストレート!)」
グッ
理嗚「(動いた!)」
ギィイイン!
理嗚「レフト!」
海鳳「あげすぎた。」
府中「チッ。」
ナカナカ良い当たりを見せたが打球はレフトフライになりそうだ。落下点に入ったレフトがしっかりと構えて捕球した。
バシン
アウトー!
谷川「ナイスピッチャー。打球死んでるよ!」
理嗚「ツーアウト!」
これでツーアウトになった。いままでの中で一番あっさりアウトをとられている。当てられないということはなさそうだけれども、ヒットを打つのは難しそうだ。由紀は…大丈夫だろうか。
ウグイス嬢「三番、センター、海鳳君。」
海鳳「しゃあああ!!」
海鳳が気合を入れてバッターボックスに入る。海鳳なら決めてくれる気がする。頑張って!




