第十一話 第五部 特訓の成果を
野宮「(良いスラーブだな。)」
よし、まずストライク入った。次も…スラーブ。今度はボール球になるように。このバッターは積極的だから振ってくれるはず!
シュッ!
野宮「(同じ球!)」
グググッ ブシィ! バシン!
ストライクツー!
友亀「(よーし。)」
野宮「(ちっ、ボール球か。)」
あの球を振ってくれたの嬉しい。そして次の球は…またスラーブ。なんと大胆な攻め方なのだろうか。少しだけストライクによる感じで…。でもこれは何か意図があるはず。
シュッ!
野宮「(同じコース、ボール球か。)」
グググッ バシーン!
ストライクバッターアウト!!
野宮「なっ!?」
友亀「ナイスボール!!」
亜弓「よしっ。」
三振で切り抜けた。しかもストレートを全く使わずに。楽に投げれたので腕の負担は全くない。特訓の成果も出ているのだろうか。
ウグイス嬢「二番、ファースト、前田君。」
前田「(変化球ばかりで来たか…。となると俺にも変化球か。)」
二番の前田がバッターボックスに入る。比較的身長が大きい。的も大きいということにもなる。サインは…。チェンジアップを内角に…。よし!
シュッ! グググググッ
前田「(変化球!)」
ギィン!
友亀「ショート!」
栗山「あいよ!」
打球はそこそこの当たりでショート正面のゴロになった。ショートの栗山先輩がしっかりとボールを捕球する。
池之宮「バッター速いぞ!」
栗山「よっと!」
シューー バシン!
アウトー!
次のバッターもショートゴロで抑えた。よし、順調だ。そして次は…注意すべきバッターの一人、三番、岸柳だ。
岸柳「しゃあああっす!」
友亀「……。」
私はロージンバックに一度手をつけてキャッチャーを見た。サインは…ストレート。やっと来た。
佐奈「あの子のストレートはどんな球なんだろうね。」
真菜「次、投げるよ。」
佐奈「本当に?」
日下部「(日高、お前のタイプを見たら、本番にはさらに本領を発揮できるタイプだ。本当の力が今ここで投げられるぞ。特訓の成果をみせてやれ!)」
私は大きく振りかぶって足をあげ、友亀の構えるミットめがけておもいっきり!!!
シュッ
岸柳「!?」
シュゴオオオオオオオオオオ
バシューーーーーン!
ストライクワン!




