第十一話 第三部 皆の気合
和光大学付属和光高校 練習&ベンチ
理嗚「次、ラストっす!」
真田「っし!」
シュゴオオオオオ ドシューーーン!!
理嗚「ひーーっ、ナイスボール!!」
真田「お前、いちいちうるさい。」
理嗚「スマセンスマセン。」
倉持「アイツ不思議だよな。あんな合わない性格なのに試合となるとピッタリなんだよな。」
岸柳「すごいよな。まあ、アイツの調子なら今日も無失点で勝てそうだな。それはそうとキャプテン、あの相手投手はどう見る?」
倉持「そうだな…。あの球は厄介だと思う。特にあのフォームだ。なんとまあ見にくい投球フォームなんだろうか。」
野宮「けどよ、どっか弱点ってあるはずだぜ。一応埼玉明治戦の試合だって一通り目は通したし。」
境「そうだな。よし、あの球をぶっ叩いてやろうぜ!」
皆「うっしゃ!!」
ベンチ内
日下部「準備は大丈夫のようだな。」
深沢「頼むぞ。」
亜弓「はい。」
監督から声をかけられる。あと何分かで試合が始まる。あのマウンドで投げることになる…。私たちは後攻、先にあのマウンドで投げるんだ。
府中「日高。」
亜弓「キャプテン。」
府中先輩が声をかけてきた。
府中「後ろは俺たちがいる。だけど三振を取りに行くピッチングでいいぞ。」
亜弓「はい。」
府中「変化球を序盤多く使うらしいが、変化球でも打たせないという気持ちでいけよ。たのむぜ。」
亜弓「わかりました!」
海鳳「ここまできたか。よっしゃ、野球界に俺の名前を売るチャンスだぜ!」
池之宮「お前より目立つのは俺だがな。」
沖田「まあまあ、みんな落ち着いていこうよ。」
米倉「いや、ここまできたらイケイケだぜ。」
新天「はぁ。」
伊沢「よっしゃあああ!!!」
卜部「うわうっせ!」
栗山「騒がしいよな。」
中山「まったくだ。」
芦毛「日高、明日に向けて頼むぜ。」
亜弓「はい、任せてください。」
館川「終盤何かあったら任せろよ。」
亜弓「うん、そのときは頼るよ。」
友亀「ふー……、よし。」
そして審判が集まってくる。私たちもベンチから出て並び始める。
審判「集合!!」
府中「いくぞ!」
皆「しゃあああああ!!!!」
わあああああああ!!! パチパチパチパチ…
礼!
皆「しゃあああっす!」
準決勝が、始まった。




