第十話 第十二部 芦毛、始動。
府中先輩が軽々とホームにかえってきて二点目。由紀の一打席目は打点つきのヒットとなった。
由紀「やっほーい!」
スタンド「やっほーい!!!!」
由紀の声にあわせてスタンドが沸きあがる。ハイテンションだ。皆と由紀が一体となっている。由紀の存在はムードメーカーだ。良い方向にも悪い方向にも向かう。それだけ由紀の状況は良いということだ。
ギィン!
中山「チッ。」
中山先輩は打ち上げてしまった。ショートがしっかり捕り、スリーアウトチェンジになった。
レナ「あの子良いバッティングしたネ。」
可奈「さすが…私の尊敬する人。」
レナ「尊敬する人ネェ。私、決めたワ。」
可奈「何を?」
レナ「高校、可奈と一緒に日本で野球するなラ、松江学園でやるヨ。」
可奈「レナ…!」
芦毛先輩がマウンドに上がって足場を慣らしている。その間にボール回しが終わり、ファーストの池之宮がボールを渡した。
池之宮「芦毛先輩、良いピッチング期待してます。」
芦毛「ああ。」
芦毛先輩は腕をグルグル回したあと、相手バッターと府中先輩を見た。
芦毛「(お前と一緒に組めたことを幸運に思うよ。俺たちの固い絆で抑えていこうぜ。)」
府中「(俺とお前がいたから甲子園にいけた。後回りの奴らにも恵まれてきた…。行くぞ、芦毛!)」
シュルルルルル バシン!
ストライクワン!




