第十話 第二部 私たちと袴田
アナウンサー「それでは本日の特集です。本日の特集は、高校野球をやる女子校生に焦点を当てていきたいと思います。」
いよいよだ。私たちが出るところはここからだ。
亜弓母「ご飯用意できたわよ。」
由紀「ありがとうございます。」
アナウンサー「まず一年生から見ていきましょう。…こちらは埼玉の松江学園に所属する女性選手です。」
亜弓「あ、私だ。」
私が特集でテレビに出ていた。しっかりインタビューとか答えられているかちょっと心配になってきた。そしてなんとなく恥ずかしい気分だ。由紀は緊張もせずに、ニコニコと待機していた。
アナウンサー「まずは日高投手、二回戦の埼玉明治戦では見事な投球を見せてくれました。140キロ台のストレートが持ち味で、奪三振をたくさん奪ってきました。あれからまだ登板がありませんが、登板したときにはまた奪三振ショーを見せてくれることでしょう。そして羽葉外野手。彼女の持ち味はなんといってもバッティング。ここまで凡打は一つ、それ以外は全てヒットを放つというすばらしい結果を残してきています。」
亜弓「恥ずかしいね。」
由紀「でも嬉しいよね。」
亜弓母「私の娘がテレビに映るなんて嬉しいことよ。」
テレビ内亜弓『私はただ、味方に助けてもらっていただけです。本当に感謝しています。』
由紀「本当は亜弓の力だけどね。」
亜弓「違うって!」
でもそういってくれる由紀が本当にうれしかった。本当に良い友達にめぐりあえた。嬉しい。
テレビ内由紀『いつでもヒット打ってみせます! 私の売りはそれですから!』
亜弓「強気だねぇ。」
由紀「そうじゃないとね。」
アナウンサー「さて、続いては城洋大付属高校の一年生、袴田瑞華捕手です。」
シュッ!
由紀「うわ。」
バシーーン! アウト!
テレビ内瑞華『っし。』
その送球は力強いというレベルではなかった。盗塁したと気づいたときにはすでに投げる体制に入っており、捕球した瞬間にはすでに投げていた。なんと持ち替えが早い捕手なんだ。オマケに肩もすばらしい。コントロールも良く構えたところにドンピシャ。この袴田という捕手がガッツポーズをしているところは、本当に絵になっていた。
今回はMg栗野さんに描いていただきました!ありがとうございます!
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