第九話 第二十三部 秘めたる力
田淵「みんなここまで良く頑張ってくれた。この高校初のベスト16は本当に誇りに思う。今までだったら一回戦までだった俺たちがここまでこれたんだ。」
浜本「でもキャプテン…俺は先輩たちと甲子園に行きたかったです。」
富田「お前は泣くな。来年がある。そこで俺たちの果たせなかった夢を果たしてくれ。」
成見「俺も…もっと打たれない投手になりたいです。きっと誰もが認めるようなエースになってみせます。」
田淵「たのむぞ…。」
亜弓「お疲れ様。」
由紀「ありがとう。ここから試合間隔が短くなってくるけど、頑張っていこう。次は芦毛先輩が投げるから…。準決勝頼むよ。」
亜弓「うん、頑張ってみせる!」
私は右手をぎゅっとにぎった。力が沸いてくる。いままで体力づくりをやってきた結果を試合で出してみせなければ。
綾「やだーーー! プリン食べたい!」
せ、先輩。今になっても甘い物を欲しているのか。太らないのかな…すごく気になるところだ。
阿湖音「ねぇ美琴先輩。」
美琴「なに?」
阿湖音「うちの学校ともしかすると決勝戦うかもしれないけど…内心は松枝学園を応援してるからね。」
美琴「どうしたのいきなり。それに素に戻っちゃって。」
阿湖音「ふ、ふふふっ。あの二人の女性からただならぬオーラを感じるのでね。」
美琴「なるほど。あの二人に魅入られたってこと?」
阿湖音「今日は一人本気を出さなかったようだが、二人とも大きな力を秘めている。その力が解き放たれた時、すばらしい結果が舞い降りてくるだろう。」
美琴「……そうね。」




