第九話 第十二部 勝負のストレート
海鳳「よっしゃ!」
海鳳はゆっくりとバッターボックスに入った。そしてピッチャーを観察するかのように見る。その表情は打つ気マンマンだ。ゆっくりとかまえると相手投手は身震いをしたかのような動作を見せた。
成見「(うっひょー、こういう相手と戦いたかったんだよな。楽しみだぜ。)」
田淵「(慎重にいけよ。)」
相手投手はゆっくりとセットポジションにつく。そして高く足を上げた。
ダッ
当然のごとく一塁ランナーの府中先輩は盗塁する。しかし投手はお構いなしといった表情だ。
成見「よいしょ!」
シューーーー バシン!
ボールワン。
きわどいところにストレートが決まる。このコントロールの荒っぽさも打たれにくい一つの理由でもある。ただ、これは失投にもつながってくる。下手なところに投げれば海鳳ならドカンだ。
ググググッ バスン
ストライクワン!
今度はゆったりとしたカーブがストライクゾーンに決まる。海鳳はボールの球筋をしっかり見ていた。そして三球目…。
成見「っらああ!」
シュッ
海鳳「来たっ!」
ザッ
海鳳が大きく踏み込んだ。そしてバットをボールに合わせるように振っていく。
キィィイイイイイン!!
米倉「よっしゃ!」
新天「先輩、ゆっくり帰れます!」
打球はグングンと伸びていく。レフトとセンターが追いかけるがその間を軽々と越えていった。
ポーン
府中「よくやった!」
そういいながら卜部先輩と府中先輩がホームに帰って来た。
卜部「よっしゃ府中。」
府中「ああ、流れを持っていけたぞ。」
そのまま海鳳はセカンドベースまでたどり着いた。先取点を取って2対0とした。




