第九話 第二部 女子トーク
7月23日 11時丁度 さいたま市営大宮球場にて
亜弓「あと一時間だね。」
由紀「これで勝てばベスト8だよ。頑張ろう。」
瞳「でもすごいよね。このままなら甲子園に行けると思うよ。」
真希「何言っているの瞳。試合なんて最後まで進んで見ないとわからないわよ。」
瞳「何事もポジティブポジティブ! 最初から負けると考えてるとそっち方面に向かっちゃうもの。」
由紀「瞳の言うとおりだね。私はいっつもその気持ちは忘れないよ。」
亜弓「私は今まで真希の考え方だったかも…。」
試合前の会話、リラックスできる時間だ。そして試合前の応援の人たちと会話できる唯一の時間。
優衣「あっ、亜弓! 由紀!」
亜弓「優衣! それに香澄や久美まで!」
香澄「今日からチアリーディング部と合同で応援するよ!」
久美「精一杯応援するからね。」
由紀「ありがとう! そういえばチアリーディング部の集まりは何処になるんだろう?」
瞳「あ、アイツ。」
真希「えっ?」
ガツガツと音をたてて前からやってくる人がいた。萌だ。
瞳「何しにきたの橋風。」
萌「あなたには関係ないわ。…亜弓。」
亜弓「わ、私?」
突然私の名前が呼ばれた。私って何かしたっけ?
萌「今日の試合、絶対に勝ちなさいよ。暑い中私が応援しているんだから。」
亜弓「……うん、ありがとう!」
萌「ふぁあああっ!! やめろっ! なんか改まった返事するのは! もう、失礼する!」
そういって今度はダッシュで去っていった応援してくれてる…。やっぱり萌も私たちのこと考えていたんだ。
美和「萌ちゃん、しっかり応援してあげてくれてるらしいから。」
由紀「蓮沼さん。」
美和「あら、由紀ちゃん。」
由紀「ちゃんはやめてください!!!」
美和「ごめんごめん、頑張ってね。」
美和さんも応援の挨拶に来てくれた。やっぱり応援の言葉は何度聴いても嬉しい。それに答えるのが私たちのプレーだ。
千恵美「キンキンに冷えたお飲み物を用意して。」
ボディーガード「かしこまりました。」
恵美「うわっ、あなたここにボディーガード呼ぶの始めてじゃない。」
千恵美「熱いもの。恵美も飲む?」
恵美「誰があなたなんかに…あつ…。チッ、それじゃあお願い。」
千恵美「もう一つお願い。」
ボディーガード「かしこまりました。」
瞳「始めてみたよ、ボディーガードなんて。」
三由「うへうへ、男子いっぱい女子いっぱい。うへへへへ。」
美琴「すこし落ち着いたらどうなの? マネージャーの仕事あるんでしょ。」
みんなの会話を聞いているだけで楽しくなってくる。これも…悪くないかな。
?「キミが日高亜弓?」
亜弓「は、はい?」
私は後ろからの声に少々驚きながら振り向くと緑色の髪でチアガールの服を着ている女性がいた。




