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ドクターK少女  作者: レザレナ
第八話 家から見守る三回戦
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第八話 第四十部 由紀の不安

 私はバッターボックスに入った由紀をまじまじと見た。なんだろう、いつもの威圧感や雰囲気が感じられない。というよりはやる気というのが…。一体どうしちゃったんだろう。私の知っている由紀じゃない。由紀の身に何かあったのだろうか…。

由紀「(バッターボックスに入れるのは嬉しいけれど、亜弓がいないと…なにか不安しか出てこない…。)」

 シューーーバシン! ストライクワン!

由紀「(絶対に打てない球ではないけど、力が入らない。どうしてだろう。私に勇気というものが無いのだろうか。)」

 どうしたの由紀、テレビからみても迷いが見えるよ。こんなの由紀ではない、どうみてもこの打席でヒットを打てそうにもない。

 シューーーー

由紀「(とにかく振らなきゃ!)」

 ギィイン!

 ボールにあわせて打った打球は弱々しいライナーになって一二塁間に飛んでいく。しかしこれはセカンドが追いつきそうだ。セカンドが走って行く。

能登「石山! 捕れるぞ!」

石山「よっしゃ!」

 バシン! アウトー!

スタンド「あああぁぁ…。」

 スタンドから大きなため息が聞こえてくる。ここまで打撃には絶対的な信頼を置いていた由紀が凡打に終わったのだ。私も試合でこんな凡打で終わってしまったのはみたことがない。アウトになったとしても良い当たりばかりだった。それがここにきてこの打球。不調なのかスランプなのか、又は何か良くないことがあったのだろうか。由紀はそのまま悔しそうな顔でベンチへと戻っていった。

 そして次は芦毛先輩。しかし疲れがたまっているため監督からの指示はあまり振るなと出していた。テレビで監督の様子を見ると少し不安げな顔をしている。この後の投手に関して考えているのか、それとも守備に関して考えているのだろうか…。どちらにしても今後の芦毛先輩がどうなるかによって変わってくるはずだ。

 バシーン! ストライクバッターアウト!

徳川「しゃあ!」

 結局芦毛先輩は一球も振らずにいた。これでスリーアウトチェンジとなった。だけれどもこの回で3点を入れて差をつけた。これで少しは芦毛先輩の疲労とプレッシャーからは開放されるはずだろう。


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