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ドクターK少女  作者: レザレナ
第八話 家から見守る三回戦
216/835

第八話 第三十四部 大きな作戦。

 卜部先輩がバットをトントンとスパイクに当てて土を落とす。そしてゆっくりと構える。ここはどうしても点が欲しいところだ。後ろの府中キャプテンに任せる方法もあるけれども、ここは自分でチャンスをつかみとりたいところでもある。卜部先輩、頑張って!

卜部「(さて…ワンヒットで帰れそうだな。友亀の足は幸いにもチーム内平均ぐらいだ。仮に少し足が遅くたってスタートを上手く切ってくれれば…。)」

 シューーー バシン!

 ボールワン!

卜部「(といってもこのコントロールの乱れではなぁ…。監督、どう指示するんですか?)」

 シューーー バシン!

 ボールツー!

日下部「(まだ、ここじゃない。)」

 こんなイケイケのムードなのにあまりガツガツと攻めていかない。これも作戦なのだろうか。

 シューーー バシン!

 ストライクワン!

 そしてもう一つテレビを見てて気づいたことが、自分のチームのバント数だ。他のチームを見ているとランナーが出たらすぐ送って点を取る。でもうちはバント練習もしっかりしているのにあまりバントのサインを出さない。打者を信頼しているからだろうか? それともバントをしようと思えばいつでもできる状況なのだろうか。すごく気になる…。

日下部「(よし、勝負だ!)」

卜部「(任せろ!)」

友亀「(投げたら走る…。)」

 ピッチャーが足を上げて一度セカンドを見る。そしてもう一度キャッチャーを見る。

沖田「ゴォ!」

 ダダダッ

 ランナーコーチにいる沖田の声と同時に友亀がスタートを切る。

三宮「徳川!」

徳川「おう!」

 ボールは内角高めに飛んでくる。卜部先輩は全く逃げるそぶりを見せず、足を踏み込んだ。

卜部「(予想的中!)」

 ギィイイイイイン!

三宮「なっ!」

池之宮「そりゃ疲れてるからってストレートを淡々と投げれば打たれるさ。しかも緩急もつけずにな。」

 打球が三遊間をゴロで抜けていく。ややサードよりだったが、ベースについたせいで範囲が狭まってしまった。やった、ヒットだ!

沖田「ホームだ! 突っ込め!」

友亀「らあああ!」

 友亀が全力疾走でかけていく。

三宮「本田! 一本だ!」

 レフトがゴロを走りながら捕球する。そしてそのままの助走をつけて投げる。

本田「うらぁあ!」

 シューーーー

 送球がやや一塁側にそれた。これなら外側に回り込めば!

 ズザザザザ バシーーン!

 セーーフ!

友亀「っらあ!」

卜部「どうだぁあ!」

スタンド「うわぁああああ!! 卜部ぇええええ!!」

 タイミング的にもセーフのホームイン。そして最高の結果。卜部先輩のタイムリーヒットでふたたび勝ち越した。そして味方スタンドからは大きな声援が聞こえてくる。さすが先輩だ、すごい。


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