第八話 第三十二部 疲れから襲う打撃。
シューーー バシン!
ボールツウ!
コントロールが少しずつ乱れてきている。腕の振りだろうか…いままでしなやかに左腕が出ていたが、ここにきてぎこちなくなってきた。おそらくおきに行ったら…。
シューーー
能登「(! 甘い球っ!)」
ギキイイン!!
甘くおきにいったストレートが打たれた!
友亀「くっ、センター! レフト! バックだバック!」
打球が左中間にグングンと飛んでいく。風も後押ししてフェンスまで届きそうだ。
ガギン! フェア!
金網にボールが当たって、フェアになった。急いで海鳳が処理しにいく。
海鳳「栗山先輩!」
海鳳が栗山先輩にカットを入れる。ランナーは二塁を踏んでオーバーランし、サードは無理だと確認するとセカンドベースに戻っていった。
能登「しゃあああ!」
ツーベースを打たれてしまった。でもまだツーアウト。あと一つとればチェンジだ。次は七番の辻田。落ち着いていけば抑えられない相手ではない。芦毛先輩、踏ん張って!
シューーー バシン! ストライクワン!
あ、初球にストライクが入った。この球をもう一度入れてくれれば!
友亀「(ストレートの威力がすこし弱まってきた。スクリュー投げたいところだが…追い込んでからにしたい。腕の負担を考えるとここは…ストレートしかない…。くそっ、どうリードすればよいのか難しい。)」
友亀がアウトコースに構える。芦毛先輩はそこにめがけて投げる。
シューーーー
辻田「(当てるだけでも!)」
ギィイイン!
友亀「ら、ライト!」
力ないボールはいとも簡単にライト前に運ばれていった。セカンドランナーはサードベースを踏んでホームに突っ込んできた。しかも最悪なことにスタートダッシュが早かったのだ。
府中「池之宮! ノーでいく!」
そういってダッシュで府中先輩が捕球する。
府中「らああああ!」
レーザービームがライトから飛んでくる。でもタイミングはきわどい!
本田「能登! 外に滑れ!」
バシン!
ボールを友亀が捕球した。ランナーが外側に滑り込む。タッチプレーになった。
友亀「アウト!!」
審判「セーフ!」
ああっ、セーフになってしまった。しかしすぐに友亀が起き上がると、投げる姿勢に入った。
友亀「池之宮!」
シュバアアアア
バシーーン!
カメラが追いついていない間に友亀はファーストに送球していた。ランナーが飛び出していた。
バスッ
アウトーー!!!
府中「ナイス判断!」
友亀の好判断のプレーでスリーアウトチェンジとなった。しかしこの回一点返されて同点。また振り出しに戻ってしまった。




