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ドクターK少女  作者: レザレナ
第八話 家から見守る三回戦
210/835

第八話 第二十九部 ホームランの後には

 一点の逆転に成功して七番の芦毛先輩になった。芦毛先輩のバッティングも悪くなく、私も一度とらえられたときは良い当たりをしていた。でもこの重い球にどうやって対処していくのだろう…。

 ザッザッ

 相手投手の稲本は地面をならしている。すこし動揺を見せている表情がある。これを見ると余裕のある人と余裕の無い人の差が大きくみえてくる。

 シュゴーーー ズバーーン!

 ストライクワン!

 それでもまだ球には勢いがある。重さもあってまだ投げれる状態だ。

 シュゴーー バスン!

 ボールワン!

 でもボールは定まっていない。こんなときこそ攻め立てたい!

 シュゴーーー ギィン!

芦毛「くそっ!」

 打ち損じた打球はファースト前。ファーストがゆっくりとってベースを踏む。

 アウトー!

 これでワンアウト、そして八番の栗山先輩に回った。栗山先輩もパワーは他の人と比べたら劣る。だからこそ足を使って…

 ギィン!

 あっ、フライを上げてしまった。しかもキャッチャーフライ。

 バシン! アウト!

 初球から手を出してアウトになってしまった。これでは相手の思う壺になってしまう。次は九番の友亀。お世辞にも打撃が上手いというわけではない。完全にキャッチャー専用といったところでもある。それでも…わずかな可能性に期待すれば…。

 ………

 ツーストライクツーボール、追い込まれてから二球粘って次が七球目。友亀は少し苦い顔をしている。それでもここまで粘ってきている。ここまできたならヒットを打ちたい。

 シュゴーーー ガキィン!

 ああ、また打ち損じだ。ショートにゆるいゴロが飛んでいく。それでも友亀は全力疾走で走っていく。

 ショートがゆっくり捕球してファーストに送球した。

辻田「ああっ!」


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