第八話 第二十六部 スクリュー&カーブ
さて、二回の表になって相手のバッターは六番の能登が入った。これまたホームランを打ちそうなバッターだ。でも、リズムさえ取り戻してくれれば芦毛先輩は…。
シュルルルルルル
バシーン!
ストライクワン!
キレの良いスクリューが決まる。これだけキレていればバットに当てるのは至難の業だろう。
シューーー バシン!
ボールワン!
ボールだったけれどもストレートも伸びている。
シューーー ブン バシン!
ストライクツー
ツーストライクに追い込んだ。さて、ここでスクリューで三振を取りにいくのだろうか…。
能登「(ここはスクリューが来るはず!)」
シュッ
能登「(この遅さは…スクリューか!)」
グググッ ブシィ! バシン!
ストライクバッターアウト!
能登「何っ!?」
友亀「よっしゃ! ナイスピッチングっす!」
あの遅い球は私にもスクリューに見えた。けれども途中で軌道が違うことに気づいたときにはもう遅い、カーブで裏をかきしとめたという感じだ。芦毛先輩はしてやったりの顔をしている。それはそうだろう、ここまで上手くきまるなんて。
そして七番には辻田が入る。七番であっても外野を越えそうなあたりを思わせるような素振りを見せている。でも…いまの芦毛先輩なら
ググッ バシン!
ストライクワン
シュルルルル ブン! バシーン!
ストライクツー!
二球続けて変化球を投げて、しかもツーストライクと追い込んでいる。ここでどっちを投げるのだろう。
辻田「(くそっ、どっちだ!)」
シュルルルル バシーーン!
ストライクバッターアウト!
辻田「(手が出なかったっ。)くそっ!」
芦毛「しゃあああ!」
これで二者連続奪三振だ。完全にリズムを取り戻した!




