第八話 第二十一部 ホームラン後でもまだまだ
打球が高くライト方向へ向かっていった。打球がドンドン伸びていく。
亜弓「ああっ!」
私は思わず声を上げた。
アナウンサー『これは入るか! 入るか!?』
府中「ぐっ。」
ポーーーン
徳川「しゃああああああ!!」
入ってしまった、ツーランホームラン。芦毛先輩がいきなり打たれるなんて…。波に乗っている学校がいかに怖いかがわかった。それよりもあのバッターの打ち方だ。低めをすくい上げるように振った。そしてスイングスピード。間違いない、このチームは強敵だ。バッターがホームを踏んでホームイン。2対0と先制されてしまった。
上原「しゃああ! ナイス徳川!」
徳川「おもいっきり打ってやったぜ!」
本田「続け! 三宮!」
そしてまだまだパワーヒッターが続く。次は五番の三宮。これまた体つきがよい。甘い球を投げてしまったらまたホームランを打たれそうだ。
だけど…なぜかと芦毛先輩は余裕の表情を見せてる。こんな状況に至っても大丈夫だということなのだろうか。皆も余裕の表情を見せている。さすが強豪校なだけあってメンタル面は強い。私はこの状況だったらてんぱっていただろう。
シュゴオーーーー
ズバーーン! ストライクワン!
さっきよりも球の勢いが増しているように見える。でも思いっきりのストレートではない。何か…何かあるはず。
シュルルルルル
三宮「ぐっ!」
ブン! バシン!
ストライクツウ!
三宮「(んだこりゃ。)」
すごいスクリューだ。あんなの普通打てっこない。しかもキレが一段と増してきている。そしてストライクが入るようになってきた。もう一度あの球をなげられたら…。
シュルルルルル
三宮「(ストライクゾーン! 振らなきゃ!)」
ブシィ!
バシン! ストライクバッターアウト!チェンジ!
芦毛「っしゃああ!!!」
空振り三振だ! スクリューが全く相手のバットに寄せ付けなかった。これでスリーアウトチェンジだ。さぁ、今度はこっちの番だ!




