第八話 第二十部 余裕と狙い
次は三番の上原だ。身長が大きい。表示に183cmと書いてある。でもこれの方がストライクが捕りやすいはず。
シューーー バシン!
ボールワン!
あっと、力が入りすぎてる。高めに浮いてしまっていた。次は低めに構える。変化球だろうか?
シュルルルルル
ブン! バシン!
ストライクワン!
上原「(この球は打てねぇな。)」
友亀「(よし、キレはいつもより良い。)」
さすがに変化球には全く合っていないみたいだ。わたしたちが練習試合をしたときよりも曲がるようになっている。調子は良いみたいだ。後はストライクが…。
シューーーバシン ボールツー!
ググッ バスン ボールスリー
またボール三つ出てしまった。こんなにコントロール悪かったっけ。人と比べたらコントロール悪い気がするけれども、ストライクが取れないわけではない。力が入りすぎているようにも見えるけど…。
シュルルルルル
バシーン! ボールファア!
あぁ、またファーボール。これで二つ目だ。本当は調子が悪いだけなのだろうか? それともあせっているだけなのだろうか。テレビからだと問題ない表情に見えるけど…実際どうなんだろう…。
友亀「(ツーアウト、まだ初回。大丈夫だ。まだ攻めていく投げ方で問題ない。)」
府中「(友亀、落ち着いていけよ。冷静に考えてリードすれば普通に抑えられるからな。あと芦毛、あわてることはないぞ。)」
そして四番の徳川だ。体つきがすごい、いかにもホームランバッターのような体格だ。下手な球を投げてしまったら打たれるだろう。左バッターボックスに入った。
芦毛「(初球ストレートか。よし、思いっきり!)」
シュッ! シュゴオオオオオオオオ
徳川「(低めっ、打ちごろ!)」
ギイイイイイン!!
友亀「なっ!? ライト!」




