第八話 第十五部 疲れでフラフラ
試合前練習後
日下部「さて、テスト前と被って大変だと思うが、明日は試合だ。先発は芦毛でいく。」
芦毛「はいっ。」
深沢「ん? どうした日高。」
皆が私の方を見る。私は二日続けての特別メニューでぐったりだった。膝に手をつけて立っていられるのがやっとだ。
由紀「病み上がりであの特訓はけっこう大変なようです。」
由紀が私の変わりにしゃべっている。私も何か言わなきゃ。
亜弓「すみません…休み明けなのに…無理してしまって…。」
足元がややふらつく。
日下部「おいおい、無理するな。明日は試合見にこなくても大丈夫だ。」
亜弓「でも…。」
日下部「その代わりしっかり体調治してこい。準決勝で先発予定だから、それまでに調整をしっかり行ってくれ。」
亜弓「はい…ってえええっ!?」
私は大声で驚いた。驚きと同時に足の力が抜けてしりもちをついた。
由紀「大丈夫?」
由紀が手を差し出してくれた。
亜弓「ありがとう。」
私は由紀の手を握って立ち上がった。
芦毛「マジかよ!」
館川「準決勝で先発って…すげぇな!」
日下部「俺と深沢、そして府中と共に考えたんだ。」
府中「芦毛、館川。お前らも驚いている場合じゃないぞ。明日は芦毛で四回戦は館川が、準々決勝で芦毛が投げる。準決勝で日高が投げて決勝が総力戦だ。」
皆「おおおおおお。」
芦毛先輩がたくさん投げる。そしてその中で館川も先発としてなげることになった。芦毛は自信に満ちた顔をしていて、館川は驚きを隠せない顔になっている。
芦毛「なるほど、そういうことか。」
館川「俺も…先発っすか?」
府中「そうだ。」
海鳳「やったじゃねぇか!」
海鳳が館川の背中をポンッと叩く。続いて他の一年もポンポンと叩いていく。
伊沢「たのしみだな。」
館川「先発…俺っ、必ずチームのために抑えて見せます!!」
館川が先発。良い先発デビューになると嬉しいな。
日下部「ということで明日は8時集合だ。日高、お前は家でじっくり休んでおけ。もし運動が途中からしたくなったら、午後、学校に来て一時間、あのメニューだ。」
府中「皆、気合入れていくぞ!」
皆「っしゃあああああ!!!」




