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ドクターK少女  作者: レザレナ
第三話 紅白戦
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第三話 第六部 自信+恐怖=……

五番の田辺先輩を三振にとってここまで五人の打者に全部三振、三番の府中先輩に一度だけバットにあてられただけでそれ以外は空振り。完璧な内容といって良いほど投げれてる。逆に怖くもなってくるけれども…。

 ツーアウトランナー無しで六番ファーストの杉地先輩だ。ここから下位打線になっていくが、油断してはいけない。思いっきり投げれば絶対に抑えられる。

 シューーーバシィ!ストラーイク!

 投げるのが気持ち良い。こんな風に思えたのは初めてだ。もっと投げたくなる。

 シューーーーーブン バシン! ストライクツウ!

 また空振ってくれた。私は…レギュラーを取る!

 シューーー ズバーン! ストライクバッターアウト!

亜弓「よしっ。」

 また三振で、これで六者連続三振。

海鳳「ナイスピッチング! やるじゃん!」

池之宮「すごいな、今度俺と一打席勝負させてくれ。」

亜弓「えっ?」

由紀「いや、最初は私がやるの。とりあえずナイスピッチ。」

亜弓「ありがとう。」

深沢「ナイスピッチング。だが、次は日高からだぞ。」

亜弓「あ、はい。」

 私は急いで準備した。

 私は投球練習を横から見ながら素振りをしてるが、芦毛先輩の球は速い。こんなのを当てることができるのだろうか。いや、狙うはヒットなんだ。やってみせる。そして投球練習が終わっていたので、私はバッターボックスに入った。芦毛先輩が投げる。

 シューーーー バシン!

 ストライク!

 低めにストレートが決まった。芦毛先輩はボールを受け取るとすぐにセットポジションに戻った。とにかく振らなければなにも始まらない。

 シューーー キン! 

 当てた! けど…。

 パシン アウト!!

 ボールの勢いに押された打球はファーストライナーに終わってしまった。ライナーというには弱い打球だったが。私の初打席はファーストライナーだった。

由紀「ドンマイドンマイ。はい、これスポドリ。」

亜弓「あ、ありがとう。」

 私はヘルメットとバットを置くと由紀から手渡しされたコップを持った。

 キーン! 

府中「サード!」

野中「あいよ。」

 パシン アウト!!

 その間にも一番に戻った米倉はサードフライに倒れてしまった。

 私はスポーツドリンクを一口、二口と口の中にふくんでいった。

友亀「日高、ピッチングだけに集中しちゃっていいよ。今バッティングのことを悔やんだりしてたらピッチングに影響するぞ。」

亜弓「ありがとう。」

由紀「そうそう、亜弓。」

亜弓「なに? 由紀。」

由紀「今のところ全部ストレート、そして全力投球だよね。腕の疲れや握力とか大丈夫?」

亜弓「いまのところ大丈夫だよ。」

由紀「そっか。今はいいけど、大会までには投球ペースとか考えながら投球できるようにしてね。このままじゃ亜弓がつぶれそうで心配だよ。」

亜弓「心配ありがとう。やさしいね、由紀って。」

由紀「そ、そそそ、そんなことないよ! やめてよもう、試合中なんだから///。」

 由紀が照れてしまった。試合中でも照れ屋は隠せないところがまた「かわいい」。でも口には出さないでおこう。

 バシン! ストライクバッタアウト!

 そんな間にも二番の沖田が三振でスリーアウトチェンジとなってしまった。この回の打撃はすぐに終わってしまった、でもこれで私は投げることができる。私はグローブを持って「よしっ」と心の中で言うと、駆け足でマウンドに向かった。

 三回の裏からは芦毛先輩からだ。打撃もそこそこ良いと聞いたので、甘い球が行かないように注意する。私はそのために思いっきり投げるだけ!

 シューーーー 

 キィーーーーン!!!

サードコーチャー「うおっと!」

 サードコーチャーがよけるとものすごい打球はサード側席に飛び込んだ。今、私は完璧に当てられた。完璧に…。

芦毛の心境「ま、まぐれだけどおもいっきり振ったら当たった…。」

友亀「完璧にとらえられるか普通…。」

 私はその打球を見ておびえてしまった。次は確実に当ててくる。ヒットを打たれてしまう。私のせいでチームが負けてしまう。そんな負の連鎖が頭の中をめぐっていった。かき消したい気持ちがいっぱいなのだが、腕にまで震えがきてしまった。私は……。


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