第八話 第十一部 三回戦の相手は八潮中央高校。
キーンコーンカーンコーン
由紀「んー終わった終わった。」
亜弓「由紀、テスト勉強大丈夫?」
由紀「平気平気。順調に進んでるよ。」
亜弓「よかった。」
私は一息ついた。中間の時、由紀はやばいよやばいよってずっと言っていた。でも今回は自信に満ち溢れている。野球の試合で好成績残せてモチベーション高いのも理由かもしれない。自然と笑顔がこぼれてきた。
亜弓「そういえば次の対戦相手…どこになったんだっけ?」
私はバッグを持って教室を出ながら由紀に聞いた。
由紀「えっと…たしかね。うーん、点差しか覚えてないんだよね。7対3だった記憶が…。」
真希「八潮中央、だよ。」
由紀「そうそうそれそれ!」
瞳「ちゃんと覚えるようにしなきゃ。」
由紀「ごめんごめん。でも試合内容だけは知っているんだ。とにかく打つよ、次の対戦相手は。」
亜弓「そうなのか。先発は誰だって言ってた?」
由紀はふたたび考える。一生懸命頭の中から出そうと顔をしかめて考えている。おそらく、勉強のことで頭が一杯になっているのだろう。
由紀「そうそう! 芦毛先輩!」
亜弓「爪、治ったの?」
海鳳「おーっす!」
後ろから海鳳と伊沢が来た。
伊沢「よう、体調治ったみたいだな。」
亜弓「うん、ありがとう。」
海鳳「そういえば何の話してたんだ?」
由紀「次の先発で芦毛先輩が投げることになったから、爪大丈夫なのかなって亜弓が。」
海鳳「そういうことか。」
伊沢「大丈夫だってよ。昨日ブルペンで投げてたけど、キッレキレだったらしい。」
亜弓「そっか。それなら心配なさそうだね。」




