第八話 第七部 圧倒的威圧感
キィイイイン!
あ、この試合はハイライトだ。そしてこの独特なバッティングフォームは…。真壁辰己選手だ。今日もホームラン打ったのか…。すごいなこの人は。プロに入っても活躍できるのではないだろうか。それにしても何か見たことあるような顔だなぁ…。兄弟で誰かいるのだろうか。
ピピッ
ふたたび東東京の大会に戻した。すでに試合は終わっていてインタビューのようだ。
アナウンサー『今日のホームラン二本はすばらしかったですね。』
袴田『いえ、全て良い当たりの感触がつかめてないのでまだまだです。』
さすが、狙うところが違う人はすごいなぁ。私もあの人たちみたいになりたい…。私の中で闘争心が湧き出てきた。
ピピッ
亜弓「あっ。」
私はその瞬間、考えるのを止めた。
シュゴオオオオオオオオオ
いままで一度も見たことが無い球だ。そしてプロの選手でも一度も見たことがない、ものすごい迫力と威圧感がある球だ。
バシィイイイイイン!!!
ピッ 155キロ
ストライクワン!
一球で十分だった。私の心の中に、一つの大きな壁が覆いかぶさってきた。こんな相手になんか勝てるわけが無い。そう確信できるほどだった。八幡暁美投手。テレビからであっても、ものすごい圧迫感を感じられた。




