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ドクターK少女  作者: レザレナ
第八話 家から見守る三回戦
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第八話 第四部 ごはんとローカルニュース

由紀「そろそろ飯にするか。」

亜弓「そうだね。」

 私は布団の中で勉強していた。布団をバサッと片付けると由紀が袋の中からご飯を取りだした。

由紀「よかった、まだあったかい。」

 特別な容器に入れたおかずなどはあったかかった。味噌汁は湯気がたっている。どれもおいしそうだ。

由紀「テレビつけていい?」

亜弓「いいよ。」

 由紀はリモコンの電源ボタンを入れるとあるチャンネルに入れた。県のローカルテレビだった。

アナウンサー『では一昨日から今日にかけた高校野球で注目となった試合をピックアップしていきましょう。』

由紀「ナイスタイミング!」

 高校野球のニュースだった。果たして私たちのチームは出てくるのだろうか。

アナウンサー『最初は一昨日の試合から。和光大学付属和光高校の真田太一投手が完封勝利を収めました。』

由紀「この人すごいよね。」

亜弓「そうだよね。プロからも注目されているのだっけ?」

 そういって暖かい味噌汁を口に含む。

由紀「そそそ。MAX150キロ出るって。」

亜弓「ゴックン。それに身長でかいよね…。あ、味噌汁おいしいよ!」

由紀「本当か! ありがとう!」

 由紀の笑顔でさらにおいしく感じる。やっぱり由紀って何か持っているのかも。

アナウンサー『……それでは昨日の試合を見ていきましょう。なんと言っても注目になったのは、松江学園高校対埼玉明治高校です。』

由紀「うちらだ!」

 私と由紀は箸をおいて食べるのを止めた。

アナウンサー『松江学園の先発は女性の日高投手一年生。なんと17奪三振と15者連続奪三振を記録するすばらしい投球でした。』

由紀「亜弓のこと言われたじゃん!」

亜弓「なんか恥ずかしいね。」

アナウンサー『女性といえばもう一人、一年生の羽葉由紀選手もすばらしかったですね。全打席安打を打ちました。』

亜弓「由紀のことも言われたよ!」

 由紀はニヤついていた。それはそうだろう、自分の名前がテレビで読まれているのだから。

女性アナウンサー『由紀ちゃんは可愛いのにすごいですね。』

亜弓「あ。」

 その瞬間、由紀はガバッと立ち上がってテレビをガッシリと掴んだ。

由紀「ちゃんって呼ばないでえええええええええええ!!!!!!」

 私のテレビをガタガタと上下に揺らす。

亜弓「やめて! それ私のテレビ!!」

由紀「言わないでええええ!!!」


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