第七話 第四十五部 館川、そして試合終了…
池之宮がホームベースをしっかりと踏んだ。これで6対2。点差を開いていった。高野は呆然と立ちすくんでいる。
池之宮「どうだ。」
海鳳「飛距離はかなわないや。」
府中「ナイスバッティング。よくやった。」
芦毛「よかったぞ。」
池之宮は「当たり前だろ。」といってるかのような顔をして座った。それの顔は池之宮だからこそできるような態度だと思う。この中で一番プロに近いのは池之宮かもしれない。もしかするともうプロから注目を浴びているかもしれない。そう思うと嬉しかった。
続く新天は変化球を三連続で投げられて空振り三振。七番の栗山先輩がファーボールで塁に出るが、その後の盗塁で失敗。友亀はショートのファインプレーでアウトになった。
そして最終回。ピッチャーが海鳳から館川に変わった。一年生三人でつないでいった。きっと館川なら大丈夫だ。
館川「抑えなら全て思いっきり投げる。リード頼んだぞ。」
友亀「あいよ。」
そういって友亀はしっかりと構える。先頭バッターは二番の箕島からだ。サイドスローだから私たちとは全く打つ感覚が違うだろう。それを上手く使って欲しい。
シュゴオオオオ
ズバーーーン!! ストライクワン!
やっぱり速い。ガン表示でも140キロと表示された。やっぱり館川もすごい。さすが関東で名が知れただけある。綺麗なピッチングをしている。そして何よりも…
グググググッ
ブシィ! バシン!
ストライクバッターアウト!
スタンド「あと二人!!!」
高校に入って覚えたパームボールがすばらしい。あんなのは簡単に打てなさそうだ。しかし一番の山場、三番と四番をここで迎えることになった。
星田「あきらめるなよ。最後まで戦えばよい結果につながる。もしものときは…。」
石井「そんなこと言うなよ、楽しくいこうぜ。」
星田「そうだな。」
バッターボックスに入る。
星田「しゃああああああああああ!!!」
大きく吼えた。しかし館川も自信の持った目をしている。これなら心配なさそうだ…。
ギィイイイン!
ストレートを大きく打ち上げた。打球はライトの沖田へ。
バシン!
アウトーーー!!
味方スタンド「あと一人!!! 頑張って!」
敵スタンド「石井! 何とか出てくれ!!」
森「先輩! たのみます!」
佐藤「お前が頼りだ! 一発見せてくれ!!」
石井「しゃあああああ!!!」
四番の石井が吼える。
友亀「ツーアウトだ! 落ち着いていこう!」
友亀が声をかける。それに答えるように野手は大きく声を上げる。あと一人…。頑張って!
ググググググッ
ブン! バシン! ストライクワン!
一球ごとに大きな声援が聞こえる。パームボールが綺麗に決まっている。あと二球…。
ググググググッ
ブシィ! バシン! ストライクツウ!
さらに一段と大きな声援に変わった。二球続けてパームボール。あと一球になった。館川、頑張って!
シュゴオオオオオオオオ
石井「(終わってたまるか!!!)」
ギィイイイイン!!
バシン!!!
ストライクバッターアウト! ゲームセット!!!
館川「ッしゃあああああああああああ!!!!」




