第七話 第三十九部 初被安打と怒りの奪三振
森「ナイス! よく見たっす!」
古川「ピッチャー乱れてるよ!」
府中「問題ないぞ、点差はある!」
由紀「頑張って! 私たちが後ろを守っているから!」
ファーボールで初のランナーが出た。ランナーが出ても普段どおりのピッチングをしなければ。ファーボールなんていままで何回とあるじゃないか。こんなときこそ落ち着くのが一番だ。次のバッターは九番の矢沢。ランナー一塁にいるのを確認してサインを見る。よし、サインはスラーブ。変化球なら!
シュッ グググッ
矢沢「(変化球ならっ!)」
キィイイン!
友亀「サード!」
サードに強い打球が飛んでいく。
新天「ぐっ!」
ズザザザ
矢沢「よっしゃ抜けた!」
レフトへと運ばれてしまった。これでノーヒットノーランも消えてしまった。これは変化球を狙ってきている。狙われているのだろうか。
サードコーチャー「高橋さん回って! いや、止まって!」
ファーストランナーがセカンドで止まった。由紀がかなり早く打球処理をしてくれたおかげで更なる進塁は防げた。しかしランナーは一・二塁、ピンチを招いてしまった。そしてバッターはあの一番、古川。絶対にこの人にだけは打たれたくない。どうやって抑えれば良いだろう。私は次第に弱気になってきた。
友亀「自信持て! 努力してきたんだろ! その成果をここで見せてみろ!」
そうだ、ピッチャーが弱気になってどうする。ここは強気に攻めていかなければ。サインもストレート。私の武器で…勝負!
シュゴオオオオオオオ
ズバーーーン!
ストライクワン!
古川「(ちっ、ストレートはまだノビあるじゃねえか。)」
友亀「いいぞ!」
心なしか意識すると前みたいに良い球が投げれる。これなら…!
シュゴオオオオオオオ
ズバーーーン! ストライクツウ!
友亀「(怒ったときの日高はすげぇ…。)」
絶対に打たれてたまるものか、この試合には…私の将来が決まっているんだ!
シュバァアアアアアアア
古川「ぐっ。」
ブン! ドゴオオオオン!
ストライクバッターアウト!
亜弓「しゃああああ!!」
私はいつもよりも大きく声を上げた。




