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ドクターK少女  作者: レザレナ
第七話 怒りの初先発 対埼玉明治
159/835

第七話 第三十五部 スローカーブ

由紀「いぇーーい!」

 由紀はやっぱりすごい。こんなにセンスの塊に恵まれた選手は他にいない。プロを探してもいないかもしれない。私は由紀は「100年に一度の逸材」なのではないかと思った。そして次は海鳳。またチャンスで回ってきた。

海鳳「(サインは…送りバントか。練習も兼ねてかな。池之宮につないでやるぜ。)」

由紀「(隙があれば必ず戻る!)」

高野「(こいつには打撃がすごい。ストレートでまずカウントを稼がなければ。)」

 シュッ

 スッ

 あっ、海鳳がバント!? ベンチにいる私たちは「えっ。」と声を上げた。高野も意表をつかれたようだ。

 コツン

佐藤「俺が捕る!」

 キャッチャーがダッシュで捕球するとサードをチラッとみた。しかし俊足の由紀。間に合わないと判断したキャッチャーはファーストに送球した。

 バシン アウト!

 無難に一つアウトを捕りにいった。そしてツーアウト三塁。ここで五番池之宮の出番が来た。池之宮の目には人一倍の威圧感が感じられた。

佐藤「(打撃結果だけ見れば勝負しても問題ない。しかし甘く行ったらやられてしまう。かといって避けたところで後ろはあの六番だ。それの方がリスクが高い。初球から決め球を使うつもりでいけ。)」

高野「(そうだと思ったぜ。0点で抑えて日高にどうだと見せ付けなければ気がすまない。それにこんなすごいバッターと対決できるんだ。ひくわけないだろ!)」

 相手の高野はランナーを全く気にしていない。バッターから視線をはずさないでいる。勝負に行くつもりだ。

佐藤「(さぁこい。)」

 相手投手が大きく足を上げると思いっきり投げた。

 ズボッ

池之宮「なっ!?」

 思いっきり投げたように見えたが球が抜けるように遅かった。しかしこれはただの遅い球ではない。スローカーブだ!

 ブシィ!!!   バスン!

 ストライクワン!


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