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ドクターK少女  作者: レザレナ
第七話 怒りの初先発 対埼玉明治
152/835

第七話 第二十八部 今やれるべきこと。

 私はゆっくりとバッターボックスに入った。ツーアウトランナー無し。気楽に打てる状況ではあるけれど、これは本番の大会。気を引き締めていかなければ。でもそうすると力が入りすぎてしまう…あーもうどうすれば。

 シューーーーズバーン

 ストライクワン!

 そんなことを考えている間にもボールは放られていた。落ち着こう。深呼吸をして…ゆっくりと。

 シューーー

 ギィイイン!

 詰まった! でも面白いところに打球が転がっている。打球を見ながら走るがショートがランニングキャッチをしてそのままスローイングした。全力で走れば間に合…

 バシン! アウト!

 間に合わなかった。相手の守備の方が勝っていた。これでスリーアウトチェンジになった。

 私はゆっくりとベンチに戻っていくと由紀がグローブを持って待っていた。

由紀「惜しかったね! でもピッチングでは圧倒的に勝ってるよ!」

亜弓「ありがとう。」

由紀「スタミナがもし切れそうなときでも思いっきり投げてね。私たちが打たれても守るし、点も届かないぐらい取ってあげるから。」

亜弓「うん、由紀も思いっきり打ってね! 私が抑えてあげるから!」

由紀「言うようになったね、亜弓!」

 そういって由紀は走って守備位置に移動していった。スタミナか…友亀には私のピッチングとペース配分、残り体力はどのように見えているのだろうか。でも私はいけるところまで全力で投げて抑えるだけ。五回…絶対に打たせてたまるものか!

 先頭は四番の石井だ。要注意バッターの一人だ。攻めるべきコースは…インコースにストレート!

 シュゴオオオオ!

 ブン ズバーーン!

 すとらいくわん!

 タイミングが少しずつ合ってきた。さすが強豪校なだけある。でも私だって負けられない。次は…低めにカーブを!

 ぐぐぐっ

石井「ふん!」

 ギィン!

 振りに行った! 流した打球はファーストの頭を少し超えるファールボールになった。変化球を狙っている。おそらく変化球が来るまでストレートを当ててファールボールで待つ作戦なんだろう。友亀も同じようなことを考えていて全力ストレートをアウトローに指示した。私は体全体を使って投げた。

亜弓「っし。」

 シュゴオオオオオオオオオオ!

 ズバーーーーーン!

 ストライクバッターアウト!

石井「(こ、このコースは手がでねぇ。)」

亜弓「うっし!」

 また三振。これで十三者連続奪三振を記録した。


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