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ドクターK少女  作者: レザレナ
第三話 紅白戦
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第三話 第二部 私の実力。

 そして…私の出番がやってきた。マウンドに向かってるが、手の震えがとまらない。どうにかこの震えを止めようと腕を回したりしたが、おさまらない。怖い。私のせいでチームが…。

「亜弓! まえに言ってたこと、思い出して! 亜弓ならできるよ!」

 由紀が後ろから声をかけてきた。そして近づいて、

「一点取ってるから、気持ちは楽にいこう。投球に入ったら周りは気にせず投げていいから。後ろに打球が飛んでいったら、私たちがちゃんと守るから。」

 そういって私の背中をポンポンと二回グローブでたたき、自分のポジションに向かって走っていった。そうだ。私が自信を持たなくてどうするのだ。思いっきり投げれば通用するって言われてる。私は大きく深呼吸をし、マウンドの感触を確かめながら投球練習をした。先輩チームのベンチからは、

「本当に女かよ。」

 と声が聞こえてくる。でもマウンドに立てば私が投手なんだ。今やることは自分のピッチングをすることだ。

 そして…一番の栗山先輩がバッターボックスに入った。足が速いバッターだ。でも私はキャッチャーの構えたところに投げるだけ。私は投球に集中すればいい。最初のサインは真ん中にストレート。大きく振りかぶって…思いっきり!

 シューーーズバーーン!

 ストライク!!

相手ベンチ「おおっ。」

友亀「よっしゃ。」

 全力で投げた球はど真ん中。構えたところに入った。これなら…大丈夫! 次は…内角高めにストレート!

 シューーーズバーン!!

 ストライクトゥ!!

栗山「何だこの球は!?」

 私の球をみて栗山先輩が口に出すほど驚いている。私の球は…、通用する!

 シューーーズバン!

 ストライクアウト!

相手ベンチ「おおお。」

 栗山先輩は始めて手を出してきたが、高めのボール球を振ってくれた。しかも、振り遅れてかなりボールの下を振っていた。三振だ。

亜弓「よしっ。」

 私は思わず声を上げ、右手を握った。

友亀「ナイスピッチ!」

伊沢「球走ってるよ!」

由紀「いいよ亜弓! その調子。」

 ボールをまわしながら皆が声をかけてくれる。私もこの一年生チームの一員として認められたのだろうか。それなら私はなおさら頑張らなければ…。

 二番は卜部先輩だ。彼も足が速い。でも当てられなければ怖いことはない!


二・三年生チームベンチ内

栗山「あいつ、やべえよ。」

中山「おまえ、めっちゃボールの下振ってたぞ。」

栗山「いや、あいつ本当にすげえ。一球目は低めのストレートかと思ったらど真ん中、次は内角かと思ったら内角高めに伸びてきたし、最後にいたっては打ちごろの高めかと思ったらめちゃくちゃ高めだし。」

芦毛「ようするにノビがとんでもないってことか? それだけじゃあんなに振り遅れたりしないだろ。」

栗山「ノビもすごいんだけど、いつ投げたのか全く分からないっす。球の出所が分からないというか。だからとてつもなく速く見えるのかもしれないけれども。」

 シュゴーーバシン!! ストライーク!

中山「おい、卜部先輩まで振り遅れてるぞ。」

芦毛「このままじゃ本当にヤバイぞ。」


亜弓

 卜部先輩もボールの下を振ってくれてる。これなら打たれない。まだストレートだけしか投げていないが、これでも十分通用する。もっと思いっきり!

 ズバーーン! ストライクツゥ!

 内角低めにストレートが決まった。コントロールも良いみたいだ。これならまた三振をとれる!

 シューーズバーン! ストライクバッターアウト!!

 また三振、これで二者連続三振だ。先輩たちは私の球に目が追いついてないのか。これなら勝てる!


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