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ドクターK少女  作者: レザレナ
第七話 怒りの初先発 対埼玉明治
147/835

第七話 第二十四部 成長の実感

 回は四回の表に入った。打者は一巡して一番の古川からだ。またあの人だ。この人だけには絶対にヒットを打たれたくない。そんな気持ちが私を後押ししてくれている。思いっきり投げて抑えてみせる!

古川「(絶対打ってやる!)」

友亀「(攻め方変えるぞ。初球変化球だ。)」

 サインはチェンジアップだ。低め、ボールになるところでも問題なし!

 シュッ

古川「ぐっ」

 ギィイン!

 当てた。しかしボテボテのファーストのファールゴロ。引っ張りすぎていてタイミングが一とたりとも合っていない。これなら問題なさそうだ。そして次はストレートのサイン。これで惑わしてみせる!

 シュゴオオオオオオ!

 ズバアアアアン!ブン!

 ストライクツウ!

 ミットの音が聞こえてから振っている。明らかにタイミングを見失っている。相手の顔色をみるだけでもわかる。これなら余裕に三振がとれそうだ。でも…全力で抑えなきゃ意味がない!

 シュゴオオオオオ

 ズバーーーーン!

古川「(ボールだ!)」

 ストライクバッターアウト!

古川「(えっ!?)」

友亀「(ナイスピッチング!)」

亜弓「っし。」

卜部「どこまで三振とれるか楽しみだな!」

古川「ちくしょう!」

 相手のバッターは悔しそうに俺をにらみながらベンチに戻っていった。ざまあみろと心の中で思いながらすぐに次の打者のことを考えた。

 次は二番バッターの箕島だ。勢いを止めずに最後まで投げきって見せる!

 シュゴオオオオオオオオ

 ズバーーン!

 ストライクワン!

 なんだろう、中盤になるにつれて腕が振れている気がする。いままでの気持ちを吹き飛ばしたかのようにすがすがしい。もう一歩レベルアップできたのだろうか。それならそれで嬉しい。だったら自分の力を最大限まで使って!

 シューーーー

 ブン ズバーーン!

 ストライクツウ!

 気持ちが良い。ここまでスカッとした気分は初めてだ。私はまた大きく振りかぶる。足をあげ、一度体の力を抜いてから踏み込み、全身を使って投げるように!

 シュゴオオオオオオ!

 ズバーーーン!ブン! ピッ143キロ

 ストライクバッターアウト!

亜弓「しゃああ!」

 私は思わずガッツポーズをとった。


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