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ドクターK少女  作者: レザレナ
第七話 怒りの初先発 対埼玉明治
146/835

第七話 第二十三部 速過ぎた打球

海鳳「っしゃああ!」

 海鳳が吼えた。力強い声だ。海鳳のこの力がチームの原動力にもなる。海鳳が一緒の学校で本当によかった。そして次は池之宮だ。

池之宮「(サイン…ヒットエンドランか。あんまり得意じゃないが、やるか。)」

海鳳「(全力で走って上手くいけばホームにいける。)」

 池之宮がヘルメットのつばを握る。サイン確認の合図だ。さて、ここからどうやって攻めていくのだろう。池之宮が構える。ピッチャーはかなりランナーを警戒している。

 シュッ パシン!

 セーフ!

 牽制だ。見る限り、牽制はとても上手そうだ。無駄が無くて綺麗だ。ただ、その分クイックが遅くなってしまうクセがある。そこをついて…。

 シュッ

黒木「走った!」

 ダダダダッ

 海鳳が全力疾走でセカンドベースに向かって走った。

池之宮「甘い球!」

 ガキィイイイイイン!!!

 ものすごい勢いで打球が飛んでいった。ショートの顔をかすめて左中間に抜けていった。ショートは「えっ。」と信じられない表情をして振り返った。打球は弾丸ライナーのままフェンスに届きそうだ。もしかすると入ってしまうのでは?

池之宮「海鳳! ホームまで走れ!」

 池之宮が叫ぶ。入らないのだろうか。

 バゴオオオン!

 フェア!

 フェンスに当たった打球はものすごい勢いで跳ね返った。海鳳はサードベースを蹴ろうとした。

佐藤「センター! バックホームだ! 中継高橋!」

高橋「こっちだ!」

箕島「たのんだぞ! っらああ!」

 センターから返球が帰ってくる。そして海鳳がサードベースを蹴った。

府中「外だ! 外に回りこめ!」

 中継のショートにわたってバックホームが帰ってくる。海鳳は一生懸命走っている。タイミングはきわどそうだ!

 バシン! ズザザア!

佐藤「アウトォ!」

 審判の判定は…。

 アウトーー!

 アウトだった。すこしタッチが早かったか。…って!?

石井「セカンド投げろ! 飛び出している!」

 それに気づいたキャッチャーは急いでセカンドベースに投げる。池之宮が大きく飛び出してしまった! 案の定足も遅い。急いで戻ろうとするが…。

 アウト!!!

佐藤「しゃぁあああ!」

星田「ナイス! 助かったぜ!」

 だ、ダブルプレーになってしまった。でもこの回で3点を取ることができた。後は…私が守り抜くだけだ!


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