第七話 第二十二部 威圧、威圧、&威圧。
そしてバッターボックスには海鳳だ。まだワンアウト。どんな作戦だってある。外野は奥まで下がっている。これは長打を警戒しているのだろうか。海鳳は普通に構える。しかし、いつもみたいなプレッシャーは全く感じられない。一体どうしたのだろうか。
シュウウウウウ
ズバーン ストライクワン!
妙に慎重だ。ここまで打つ気が無い海鳳は見たこと無い。
シューーー
ズバーーン ストライクツウ!
あれ? ここまできて全く打つ気が無いってどういうことなのだろう…。しかも追い込まれている。このままじゃ…。しかし投手が振りかぶると一瞬で威圧感が押し寄せてきた。星田「(なんだこいつら!?)」
ゴゴゴゴ
シュッ ドッ
佐藤「ぐっ!」
ボスッ ボール!
ボールはかなり手前でワンバウンドし、捕手の防具に当たった。ボールは手前に落ちる。完全に威圧で押している感じがする。こんなプレッシャーは並みの人ではひとたまりも無い。ファーボールになるか甘い球を投げてしまうかのどちらかだ。
シュッ
バシン! ボールツウ!
今度は外に外れた。やはりこの状況はかなり辛いか。でもうちのチームとしては最高だ。海鳳、頑張って!
シュッ
ググググッ
チェンジアップだ! 流れを変えてきた!
海鳳「ほいっ!」
キィィイイイン!
やった! 綺麗なセンター返し。しかも打球はセカンドショート、そしてセンターの間にポトンと落ちる、戦略的なヒットだ。由紀は悠々とホームに帰って来た。これでまた一点追加、3対0になった。




