第七話 第二十一部 先取点
ゆっくりと府中先輩がダイヤモンドを一周していく。府中先輩の顔には笑顔が見れる。ホームインすると次のバッターの由紀と卜部先輩が待っていた。ハイタッチをして私たちのところに帰って来た。
府中「よっしゃあ! 打ってきたぜ!」
芦毛「ナイスバッティング!」
府中「日高!」
亜弓「は、はい!」
府中「点取ってきたぜ。あとは任せたぞ!」
亜弓「わかりました!」
よし、点はとってもらった。これで私が抑えればチームは勝てる。甲子園に向けて大きな一歩が踏み出せる! やってみせるよ!
その前に由紀がバッターボックスに入っている。由紀がどんなバッティングを見せてくれるのだろうか。
佐藤「(こいつにはさっき打たれた。厳しい球で攻めるか。)」
星田「(スライダーだ。)」
ピッチャーが振りかぶる。由紀はタイミングを合わせるとものすごいプレッシャーともいえる威圧感が漂ってきた。
星田「(ぐっ。)」
シュッ!
佐藤「(甘い!)」
由紀「よっしゃあああ!」
バキイイイイイン!!!
甘いところにやって来たスライダーは由紀でもいとも簡単に右中間に飛んでいった。
海鳳「よっしゃ! まわれ!」
由紀はものすごく速く走っていく。ライトがボールを拾ったときには由紀はセカンドベースを蹴ってサードベースに向かっていった。中継をはさんでボールが帰って来たが悠々と由紀はサードベースに到達、スリーベースになった。
由紀「いえーーい! 亜弓! 打ったよ!」
由紀はものすごいはしゃいでいる。それにつられてスタンドも、
優衣「元気なところかわいいよ!!」
チアガールたちが可愛いというと、学校の女子の大半が「可愛い」という。そして由紀は案の定ワタワタしている。ごめんね、私からみてもそのしぐさは可愛いよ。
由紀「だっからあああああ!! 可愛いくなぁああああああああああいいい!!!」




