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ドクターK少女  作者: レザレナ
第七話 怒りの初先発 対埼玉明治
136/835

第七話 第十五部 怒りは力を呼び覚ます。

 米倉はファーストベースに到達すると、ガッツポーズをとった。守備だけでなく打撃でも見せてくれた。次は八番の友亀。私も次はバッターだから準備をしなければ。私はヘルメットを探した。

 キィイイン!

 あっ、その前に打った。急いで準備を…だけどサードが綺麗に捕球し、ファーストに送球した。

 バシン! アウト!

 こんな守備に弱点なんて本当にあるのだろうか。私が見た限りでは全く攻められる場所はなさそうに思える。私は打たれないように投げることを優先させなければ…。よし、打たせてたまるものか!


横山「あいつ、生意気なほど良い球投げてるじゃねえか。」

岡本「くそっ、気にくわねぇ。」

横山「あんなに速い球は俺たちも一度しかない…そうだ。」

岡本「あいつに全力を投げさせないようにすれば良いんだ。」

横山「ヤジ…とばすか?」

岡本「遠まわしの表現なら問題ないだろ。あいつならすぐにガタつく。」

横山「俺は直接言ったほうが効果的だと思うぜ。」

岡本「よっしゃ。」


 ここまで連続三振が続いている。三回、ここも三振で切り抜けていこう。次は…七番の佐藤だ。下位打線だからといって油断はできない。いつも考えていることだけれども下位からの猛攻が一番怖い。だからここは攻めていかなければ。

横山「へいへいピッチャー、味方がエラーしてくれるぜ!」

岡本「そんな球すぐに打たれるよ!」

 あの人たちは私が今までの私だと思っているみたい。けどそんなに弱くない。私は強くなった。身体的にも精神的にも。そんな人たちに…負けてたまるか!

 シュゴオオオオオオオ!

 ズバアアーン!

 ストライクワン!

 ピッ 141キロ

 おおおおおおおおおおお!

 相手スタンドは無言になって、私たちのスタンドから声援が聞こえてくる。こうなってしまえば球場の視線や声援はこっちのものだ。絶対に抑えてみせる!

岡本「さっきより…。」

横山「速くなった…?」


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