第七話 第十二部 突破口なんて作らせない。
六番、ファースト、黒木くん。
体が軽い。ここまで良い調子は久々な気がする。腕も振れている。このまま全部三振にとってしまおうというぐらいまで良い。いや、それを成し遂げてみせる。そうすれば…今までの私とはサヨナラできる!
星田「どうだ、やつの球は。」
森「一筋縄ではいかなそうですね。アレだけストレートのノビが良いと変化球に絞っていったほうが良いかもしれないです。」
星田「そうだな…あいつにもきっと弱点はあるはずだ。」
古川「話しが違うじゃねえか!」
箕島「どうやって打てばよいのやら…。」
石井「ストレートはまず捨てる。変化球はいくつ持っているのかがすごく気になるが、狙うは変化球しかない。それまではカットしてスタミナを削ろう。」
星田「…それだ!」
石井「何が?」
星田「相手の投手を見てみろ。」
シュゴオオオオオオオオ ズバーーーーーーン!
ストライクツウ!
星田「わかったやついるか?」
石井「いや、ぜんぜん。」
森「俺には…全部全力で投げているように見えます。」
星田「そうだ、アイツは全力でしか投げれない。カットカットで粘ればいつかはばてる。そこから突破口をついていくぞ!」
ズバーーーーン!
ストライクバッターアウト!
黒木「くそっ。」
亜弓「っし。」
私は小さくガッツポーズをしてベンチへと帰っていった。




