第七話 第十一部 強いバッターとは
これでワンアウト。球の勢いはいつもよりも良い感じだ。絶対に負けたくないという意思からなのだろうか。このまま最後まで投げきってやる!
五番、ライト、森くん。
森「(あきらかにいままで戦ってきた中で一番強い投手だろう。しかも調子は絶好調みたいだ。それだからこそ倒して気持ちよいところもあるじゃないか。正々堂々と勝負してみせる!)」
相手のバッターはバッターボックスでクルクルとバットを回した。器用そうなバッターだ。でもこっちは力で押せば何も問題はない。だからあのミットにめがけて!
シュゴオオオオオオオオ
ズバアアアアアアアン!
ストライクワン!
森「(たしかにこれはなかなか打てない。一打席でとらえるなんて難しいかもしれねえ。)」
ボールはミットに吸い込まれるように入った。キャッチャーもものすごい良い音を立ててくれる。気分としてはとても良い。これだけよいと私も良い球を投げようとできる。そうすれば、私の嫌な気持ちも全部消せる!
シュゴオオオオオオオオオ
ブン! バシィイイイン!
ストライクツウ!
森「ひえー。」
友亀「(一番タイミングが合っていやがる。)」
ボールとバットの差はかなり離れていたけれど、タイミングは他の人たちより合っていた。このバッターは強い。油断してはいけなさそうだ。そしてサインは…ここで初めてスラーブ。ここでタイミングを崩せれば…!
しゅっ ググググッ
森「(タイミングがっ!)」
友亀「(とった!)」
バシン!
……ボールワン!
友亀「(あれ? 外れていたか。でもこれで目をくらませることができた。)」
タイミングは完璧にはずしたけれども上手く見逃してきた。やっぱりこのバッターは強い。そして目が良い。サインは…ストレート。タイミングを変えてってことね!
シュゴオオオオオオオオオオ!
ブシィ! バシーーーン!
ストライクバッターアウト!
亜弓「っしゃあ!」
五連続奪三振。すごくきもちが良かった。
森「(ストレートは無理だ。次に狙うは変化球のみだな。)」




