第二話 特別編 マネージャーたち
「えっと…部長さんですか?」
瞳は金髪の女性に声をかけた。
「え? 私?」
金髪の女性は自分のことを指差して質問してきた瞳に問いかけた。が、金髪の女性は大きく息をすったあと吐きながらにこにこと腕組みしていった。
「そ、そうよ! 私が野球部マネージャー部長の聖t…、」
バコン!
「ギャウン!」
後ろから本が飛んできた。飛んできた方には銀髪のメガネをかけた女性が座っていた。
「あなた部長じゃないでしょ! なに部長気取りしてるのよ!」
金髪の女性は右手を握って怒った。
「痛いなあ恵美! べつにいいじゃない、部長来ていないんだし。そっちこそなに部長気取りみたいな態度取ってるの!?」
「私はあなたみたいにえばってなんていません。」
「嘘付け! 思いっきり部長の席に座って本読んでるじゃない!」
「こ、これは本がたまたまここにおいてあったのでそのまま読んでいただけです!」
「違うだろ!」
二人は新入部員のことを忘れてしまったかのように口喧嘩を始めてしまった。
「本当にここは野球部マネージャー室なのかな?」
真希は不思議そうな顔をしながらつぶやいた。
「大丈夫、間違ってないよ。」
「きゃっ!」
真希と瞳は後ろからかけられた声に驚いた。振り向くと胸が大きくて茶色ツインテールの女性がいた。その後ろにも紫かかった短い髪の小さな女性が立っていた。
「キャー、かわいい子が二人も入ってきた!! さあ、おいでおいで。」
胸の大きな女性は真希と瞳の背中を押して部室のいすに座らせた。
「さあ、これから自己紹介するから、そろそろお遊びはやめよう。」
小さな女性は喧嘩をしていた二人に声をかけた。
茶色の髪の子「それじゃあ、野球部マネージャー希望者だよね。ようこそ! 私がマネージャーの部長を務めてる蒔苗三由だよ。三年生やってるよ。よろしくね。」
紫かかった髪の子「私は副部長の瀬戸名美琴。一応こう見えて三年生だからね! よろしく。」
銀髪メガネの子「私は梨子下恵美です。二年生で生徒会委員長も勤めております。よろしくお願いします。」
金髪の子「私は聖千恵美。二年生で生徒会書記。勉強で恵美に勝つことが目標。でも野球部では甲子園に出場するために精一杯お手伝いしているよ。よろしく。」
先輩たちの自己紹介が終わると真希はニコニコしながら言った。
「とても個性あふれる先輩方ですね。」
すると三由部長はにやにやしながら言った。
「でしょでしょ。私は女性が好きだし、男子が男子と戯れてるところを見るともう、ハァハァ…。」
部長は妄想に浸っていった。すると副部長が言った。
「まあ、変態はほっといて。この二年生二人もツンデレだから。」
「何でですか!」
二人が声をそろえていった。この二人は何か似ている。そう思った真希と瞳であった。
二話はここで終わります。次からは三話に入ります。いよいよ試合です。