表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドクターK少女  作者: レザレナ
第七話 怒りの初先発 対埼玉明治
129/835

第七話 第九部 風を切るごとき

 初回からランナーが出た。しかも四番は海鳳。ここは確実にヒットを打っていきたい。相手投手はかなり戸惑っている。女子が初ヒットだからかもしれない。この間にドンドンと攻め立てれば流れに乗れる。

海鳳「(四番か。久々だな。今回は簡単には打たせてもらえなさそうだから様子見でいくか。)」

 海鳳は必ず最初の打席は左に入る。そして本気で打つときは構えも違う。でも今は様子見のフォームだ。どうやって攻めていくのだろうか。投手はランナーを警戒している。しかし牽制はせずにクイックで投球フォームに入った。

 伊沢「ゴー!」

 ナイスタイミング伊沢! 声と同時に由紀が走った。もしかしてヒットエンドラン!?

 シューー バシン!

 いや、盗塁!?

佐藤「(なめるなっ!) らあぁ!」

 シュッ

 強肩のキャッチャーからセカンドに送球される。しかし由紀も速い速い。セカンドにボールが到達するとタッチプレーに入ろうとした。だけれども由紀はすでにベースに到着していた。

 セーフ!

 余裕のセーフだ。いままで足の速い人たちをみていても一人一人、雰囲気が違った。伊沢は韋駄天のごとき走りで、卜部先輩は地面の土が蹴り上がるような力強さ。そして由紀はセンスの塊と風を切るように走る。これだけ違うだけでも攻め方なんてものも変わっていく。さて、ここからの作戦は…。海鳳がかまえると由紀もリードをとる。ピッチャーはセカンドランナーに変わったことによって警戒は薄れ、バッターに集中し始めた。そしてピッチャーが足を上げる。

伊沢・杉地「ゴォ!」

 ダッ

 えっ!? まさかの三盗をするの!?

星田「んだとぉ!」

 シュゴーー

 速いストレートが投げられる。

海鳳「きた!」

 ザッ

 あっ、海鳳は踏み込んだ。打ちに行く!

 キィイイイイイン!

佐藤「ショート!」

 打球はショートの頭を超えそうな当たりだ! これは点が入るっ!

高橋「ぐっ…らぁあ!」

 バチン!

 あっ、グローブの先でボールを下に弾いた。そしてセカンドがすぐにボールの処理に向かった。

高橋「石井! 後は頼む!」

石井「まかせろ!」

 セカンドが素手で握るとファーストに送球した。

 バシーーン!

 アウト!

スタンド「あぁああ!」

星田「ナイスショート! セカン!」

佐藤「よし、流れ断ち切ったぞ。」

 綺麗な守備だった。そしてなによりもすごいのはあの連携だ。今の私たちにはアレが出来るかどうかは自信はあまりない。それだけ守備がすごい。

府中「さすがは守備の埼玉明治ってところか。日高! お前がしっかり投げれば相手に流れは持っていかれない。頼むぞ!」

亜弓「はい!」

 私はグローブをパンパンと叩いて二回のマウンドへと向かっていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ