第七話 第七部 埼玉明治のエース、星田
新天「ナイス日高!」
池之宮「まあ、上出来だな。」
海鳳「いいねいいねぇ!」
ベンチに戻るとハイタッチの嵐だった。やった、こんな強いチームから三者連続三振を奪ったんだ。これは誇れることだ。このまま相手をねじ伏せていこう!
芦毛「先発はやはりアイツか。」
府中「どれだけ早く引き摺り下ろせるかがキーポイントだよな。」
先輩の会話を聞いて相手ピッチャーの投球練習を見た。
バシーーン!
軽く投げただけでもキレのある球を投げている。星田って選手だっけ? これはうち崩すのが難しそうだ。
亜弓母「あっ、こんにちは!」
海鳳母「あら、こんにちは。良く来たわね。」
亜弓父「どうもこんにちは。」
新天父「どうもどうも、始めまして。」
亜弓弟「ちわっす!」
由紀のおばあさん「あら、いらっしゃい。お姉ちゃんすごいわよ。」
亜弓母「えっ、娘そんなにすごいのですか?」
池之宮母「いま初回に三者連続三振!」
皆「ねぇー。」
亜弓父「家族の誇りだよ、亜弓は。」
プレイ!
私たちの攻撃が始まった。セットポジションからゆったりとしたフォームで投げてくる。
シュッ バシーン!
ストライクワン!
卜部「(やっぱり良い球投げるじゃねえか。)」
卜部先輩でも初球は手を出さなかった。球が走っている。苦戦しそうだ。
シューーー
卜部「せっ!」
コツン
あっ、セーフティーバント!
古川「俺が行く!」
サードが突っ込んできた。ボールを素手で握りそのままランニングスローをした。
シューー
肩が強い!
バシーン ドン!
アウト!
卜部「(あれでアウトになるかよ!)」
黒木「しゃあー! ナイスサード!」
古川「ワンアウト!」
やっぱり上手い。守備はかなり鍛え上げられている。簡単には打ち崩せなさそうだ。でも次は府中先輩。先輩ならきっと打ってくれる。
府中「(こいつはたしかスライダーとシュートを持っていたはずだ。監督からのサインは…自由に打て。よしっ!)」
府中先輩が右バッターボックスに入る。相手はかなり意識しているようだ。
星田「(こいつには打たせない。)」
佐藤「(最初はスライダーだ。)」
府中「(こいつは相手を意識すると最初に変化球を投げる。おそらく…スライダー!)」
シュッ ググッ
府中「(きたっ!)」
キィイイイン!
佐藤「レフト!」
ライナー性の強い打球がレフトへとんでいく。しかし弾道が低いせいか、レフトが前に出て捕球体勢に入る。
矢沢「オーライ!」
バスーーン!
アウト!
あぁ、府中先輩までアウトになってしまった。これでツーアウトだ。でも次は…。
三番、レフト、羽葉由紀。背番号18。
由紀の出番だ!




