第六話 第十九部 由紀の秘密
由紀の家
おばあちゃん「あら、由紀。お帰りなさい。」
由紀「ただいま! 今日試合勝ったよ!」
おばあちゃん「そうなの。それならよかった。ちょうど今日亜弓ちゃんを家にご飯食べに来てもらおうとちょうどさっき連絡いれたところよ。」
由紀「えっ!? いきなり何してるの! 私だって用意しなきゃいけないじゃん!」
おばあちゃん「まあ、そういわず。急がなくて大丈夫よ。30分後だから。」
由紀「じゃあその間にお風呂はいってるね!」
おお、綺麗な家だ。和風な感じがする。ここのインターホンを押せば由紀が来るかな?
ピンポーン
由紀「はーーい!」
あ、由紀の声だ。
ガラララ
由紀「いらっしゃい!」
引き戸が開くと由紀が見えた。私服の由紀を見るのは初めてだ。由紀からみても私の私服ははじめてだろう。
亜弓「おじゃまします。」
おばあちゃん「あらいらっしゃい。」
亜弓「あっ、始めまして。日高亜弓です。」
おばあちゃん「よろしくね。ささっ、こっちに用意してあるわ。」
由紀「ちょっと豪華だよ。」
由紀に手を引っ張られながら歩くとベランダにおいしそうな料理が並んでいた。
亜弓「うわぁ…。」
私は驚きで声がもれてしまった。心の中で言うつもりだったのに出てしまった。すごい、本当にすごい。
由紀「じゃあ食べようか。」
私は椅子に座って手を合わせた。
亜弓・由紀「いただきます。」
私は目の前の味噌汁を飲んだ。
亜弓「あっ、これおいしい!」
おばあちゃん「そう、ならよかった。」
由紀「刺身もあるなんて、やった。」
由紀はご飯を大盛りにして食べている。なんでこんなに食べているのに成長しないのだろう。
由紀「あ、ちょっと飲み物取ってくる。」
由紀が立ち上がって調理場へと向かった。私も何故かこのタイミングでトイレが行きたくなったのでおばあちゃんに聞くことにした。
亜弓「おばあさん、トイレに行きたいのですがどちらにありますか?」
おばあちゃん「ああ、そこのふすまを開けて突き当たりの廊下を右に行けばあるよ。」
亜弓「ありがとうございます。」
私は立ち上がってふすまを開けた。
由紀「そっちにいっちゃだめ!!!!」
由紀が顔色を変えてこっちにやって来た。しかし私はすでに開けてしまっていた。そこの左側においてあったものに目がいってしまった。そこにあったのは…。
亜弓「由紀…これって…。」
若い男性と女性の遺影とお仏壇が置いてあった。




