第六話 第十部 打点、打点。
打球はライナーで左中間へ。グングン伸びていく。
芦毛「よっしゃ! 卜部、そのまま帰ってこい!」
打球は左中間の間を割っていく。セカンドランナーの卜部先輩は悠々とホームに走っていく。府中先輩も一塁を蹴って二塁に。しかし打球が良すぎたか、サードまで行くことはできなかった。しかしこれで一点先制することができた。
卜部「よっしゃああ! ナイス!」
スタンド「ナイバッチーキャプテーン!」
男性の大きな声援と黄色い声援が聞こえてくる。キャプテンは本当に男子からも女子からも人気になっている。さすがキャプテンで打つだけある。こんな皆に称えられる選手になりたい。私は自然と右手をギュッと握っていた。
アナウンス「三番、センター 海鳳くん。」
海鳳「おっしゃあ!」
海鳳がバッターボックスに入る。一年生バッターとして一番信頼できる人だ。しっかり打ってほしい。海鳳ならやってくれるはずだ。
田崎「(こいつは確か一年生だったはず。しっかり抑えていくぞ。)」
加島「(初球から決め球か。よっしゃ。)」
相手投手がセットポジションに入った。今度はランナーは全く気にせずにバッターに集中しているみたいだ。それもそうだろう。いきなりあんなに打たれては抑えることを先決になってしまうだろう。しかし相手が…悪かったというか…。
シュッ ググッ
海鳳「ドカーーーン!!」
キィーーーーーン!!!!!
スタンド「わぁあああああああ!!!!」
あ、これは間違いない、打球はグングンと伸びていってセンターのバックスクリーンに直撃させた。ツーランホームランだ。
海鳳「しゃあああ!」
海鳳が右手を上げている。スタンドを見ると大盛り上がりだ。吹奏楽部も喜びながらもヒットテーマを吹いている。優衣たちは一生懸命喜びを踊りに表現している。この勢いは最高だ。サードを回ったところで海鳳がスタンドに指を刺した。
海鳳「見てましたかー! 恵美さーーん!!」
試合中にもかかわらず、テンションは高かった。
この試合のスタメンメンバー
先攻 吉川西高校
一番 サード 三木 三年
二番 キャッチャー 田崎 三年
三番 ファースト 金田 三年
四番 レフト 川口 三年
五番 セカンド 千田 二年
六番 ピッチャー 加島 三年
七番 センター 松井 二年
八番 ショート 古木 三年
九番 ライト 戸田 一年
後攻 松江学園
一番 セカンド 卜部 三年
二番 ライト 府中 三年
三番 センター 海鳳 一年
四番 ファースト 池之宮 一年
五番 レフト 中山 二年
六番 サード 新天 一年
七番 ピッチャー 芦毛 三年
八番 ショート 栗山 二年
九番 キャッチャー 友亀 一年




