家に帰って
僕は途方にくれながらも、ドラゴンみたいなのを家につれて帰ることにした。
近くに他のドラゴンはいなかったし、置き去りにしたらかわいそうだったから。
お母様にどう言おうとか、なんであんなところにタマゴがあったんだろうとかいろいろ考えてるうちに家に着いた。
うぅ、入りづらい。
でもずっと入らないわけには行かないし・・・。
と思っていると、
「あらくーちゃん。帰ってきてたのね」
お母様がやってきました・・・。
「た、ただいまーお母様」
「はい、おかえりなさいくーちゃん」
まだ言い訳考えてないのに・・・。
「ん、あら? クーちゃんが抱いてるのは・・・」
やばいばれた。
どうしようどうしようって考えてるうちに、お母様にばれてしまった。
「え、と、これはその・・・」
頭の中がパニックになる。
するとお母様はこっちの気を知ってか知らずか、いつものようなのんきな声で、
「ドラゴンの子供なんて珍しいわねぇ」
お母様がニコニコしながら言う。
あ、やっぱりドラゴンなんだ・・・じゃなくて!
あれ、お母様驚いてない?
「あ、の。森でお散歩してたら、タマゴがあって、そしたらドラゴンが生まれて・・・」
だから連れてきたのだと僕はいった。
自分でも要領が得ないと思う。
「そうねぇ、クーちゃんはその子お家で飼いたいのかしら?」
「え? いいんですか!?」
てっきり元いた場所においてきなさいって言われると思ってた。
「んー、お父様に聞いて飼っていいよって言ったらいいわ」
「ほんとですか!」
お母様は可愛く、うんって言ってくれた。
やった、この子飼えるんだ!
「おねえさまー、おかえりです」
庭からエアルがやってきた。
「ただいま、エアル」
「あれ? おねえさまなにをもってるんですか?」
エアルは目ざとく僕が何かを持っていることに気付いたみたいだ。
僕は抱いていたドラゴンをエアルに見せてあげた。
「ぎゃああぁぁ」
ドラゴンはエアルをみて鳴いた。
「そ、それなんですかおねえさま」
エアルはドラゴンを指差して聞いてきた。
軽く怯えているようだ。
かわいいなぁ。
「えーとね。ドラゴンの子供だよ」
「ど、ドラゴンですか・・・?」
そう、ドラゴンって言って僕は笑う。
「触ってみる?」
と、言って僕はドラゴンをエアルに差し出す。
「い、いいです」
エアルはそういって逃げていってしまった。
そんなに怖いんだろうか。
かわいいのに。
お母様は僕とエアルのやり取りをニコニコしてみていた。
「じゃあお母様ぼ、わたしは部屋に戻ります」
僕はお母様にそういって部屋に戻った。
夜になってお母様はお父様にドラゴンのことを話したみたいだ。
すこし話して、ドラゴンを飼っていいって言ってくれたようだ。
次の日の朝お母様は、ニコニコしながらそういっていた。
こうしてうちに新しい家族が増えたのです。