魔術のお勉強
「お母様行ってきます!」
庭までついてきたお母様に僕は言った。
「気をつけるのよ。ぜーったいに川に近づいちゃダメよ? いい、わかった?」
「大丈夫です。川には近づきません」
「んー。おねえさまどこかにいくのー?」
お母様が、念入りに僕に注意をする。
庭になんかしてたエアルは、ちょこちょこと近づいてきて聞いてきた。
「えっとね、森に散歩に行くの」
「もりにー? エアルもいきたい、いきたい!」
「アルちゃんにはまだ早いわねー。もうちょっと大きくなったらね」
エアルはお母様の言葉に、ぶーっ、とほっぺをふくらませる。
このままじゃお母様が、みんなで行きましょう、とか言うかもしれない。
ここはすぐに行く必要がある。
「じゃあお母様、わたしは行きます」
「あんまり遅くなっちゃダメよー」
僕はお母様に、はいと答えて森に行く。
森といっても、そこまで深い森ではない。
動物もウサギのようなおとなしいものしかいない。
それにそこまで大きいわけじゃないから、迷う心配もない。
だから、カリンも子供一人でいくのを許してくれたのだ。
べつにカリンが、冷血で子供がどうなってもいいと思っているわけじゃないのだ。
木々でちょうどクーリアが隠れ、クーリアが何をしているか一見しては分からない。
だから魔術の練習をするにはちょうどいいのだ。
しばらくあるってたら、少し開けた場所に出た。
ここならちょうどいいかな。
僕は広場のような場所の真ん中に行く。座って、カバンから魔術所を出す。
魔術書は結構重いから持ってくるのに少し疲れた・・・。
僕は魔術書を開いてちょっとした復習をする。
魔術は基本的には誰にでも使えるものだが、個人の才能や所有魔力の大小などの個人差がある。
さらに魔術には4つの基礎属性と2つの上位属性、そして無属性がある。
さらにそれらの属性の魔術を組み合わせることによってできる複合魔術などもある。
火属性
水属性
風属性
土属性
以上の4つが基礎属性である。
基礎属性は得手不得手があれ、誰にでも使うことが出来る。
時属性
空属性
が、上位属性である。
上位属性は、誰にでも使えるものではない。
得手不得手以前に資質が無ければ全く使うことが出来ないのだ。
普通の魔術の発動は、詠唱などを必要としない。
必要なのはいかに具体的にイメージが出来るかである。
明確にイメージが出来なければ、魔術は発動されること無く不発に終わるのだ。
そして特殊な魔術として、魔法陣を描き発動する儀式系魔術がある。
魔方陣に意味を持たせ、術者は魔力を注ぐだけでいいわけだ。
この本すっごくむずかしい・・・書いてあることほとんど分からない・・・。
「僕って頭悪いのかな・・・」
そんなこと考えてたらちょっと泣きそうになっちゃった・・・。
本が難しいだけだよね・・・? ね?