第1話 影を装う者
はじめまして!
この世界には魔法、固有能力、人間、精霊、魔物と言った多くの存在がある。
一つは、努力と勉強次第で誰でも習得できる『魔法』。
下位、中位、上位と魔法の性能が段違いに上がる。
そしてもう一つが、人々に生まれつき備わる天性の力。
――『固有能力』。
属性などの被りはあるものの、魔法とは一線を画す理不尽な性能を秘めた、その人だけの特別な力。
――そして今日。
ヴァーゲリィ・テネブルンこと、私は学園の入学試験(実力測定)の場にいる。
私はこの日を楽しみにしていた。今まで磨き鍛え上げてきたこの力を隠し、丁度良いところで全員に見せるようにする。その光景を全員が見たとき、驚かれそして褒めちぎられる....!。
こんな妄想にふけているとそろそろ番号が近づいてくる。
そのとき、腹部に違和感が走った。
「痛い」「冷たい」
今朝、牛乳をがぶ飲みしたのが仇となってしまった。私の番号が呼ばれそう...しかし限界である。
「受験番号No.8012!降りてこい!」
教官が大きな声で呼ぶ
これも弱く見せる一環だ。そう自身に強く叩きつけるように思い込む。
観客席から降りて恐る恐る教官へ訴える。
「先生...すみません...少しWCへ....」
教官は大きくため息をついた。
「体調管理も度胸も無い小心者がこの学園でやっていけると思うなよ!全く...これだから最近のガキはこうも....」
などと教官からお叱りの言葉を受けた。しかし私のお腹は絶不調。そんな言葉を聞き流す暇もない。今後の未来がここで決まると言ってもおかしくないのである。
無心で説教をくらい続け、教官からの声が終わると同時にWater Closetへ全速力で駆け込んだ。
なんとか激浪を乗り越えた私は観客席へ戻る。場を離れていたときはかなり進んでいたようだ。
しかし、空気は冷ややかそのものだった。
「見ろよ、さっき怖気づいて逃げ出した奴じゃねぇか。」
「試験直前に逃亡とか入学できるわけないだろ。」
「なんか可哀想に思えてくる...」
他の受験生から失笑や哀れみ、軽蔑などの視線が突き刺さる。
だが、問題無い。弱く見せることのできたチャンスでもある。
「8012!戻ったらさっさと降りて水晶に手をかざせ!」
教官は苛立ちを隠さずに怒鳴る。
「は...はい...!」
私は再び観客席を降りて、大きな水晶の元へ歩み寄る。
どうやら実技はこの水晶に手を翳すことらしい。水晶は魔力や身体能力、保有している能力と魔法が検出できるとのこと。そこからランクE,D,C,B,A,Sの6つの内から分けられるらしい。便利だ。実技と呼べるのかは置いておいて...
私は固有能力がまだ発現していない分、普通の人よりかは日頃鍛えていたお陰で魔力や魔法の操作などやらなんやらかんやらは長けている。
手を翳してのろまな身体、魔力を少なく、保有魔法を無に見せて全力で偽装を行う。
すると、水晶からは淡く美しい青白い光が放たれる。光が収まると教官は資料に何かを書き込んでいた。
「ランクはEだ。時間の無駄だからとっとと戻れ。」
教官はなんとも億劫そうに吐いた。
「ランク...E...そんな...」
私はというと、落ち込んだ素振りを見せながらとぼとぼと席へ戻った。容赦の無い、様々な眼差しが向けられる。片やまるでゴミを見るような目だ。なんとも失礼極まりない。片や同族を見るような視線もちらほらあった。
私が戻ってきたときにはほとんど終わっていたそうだ。ようやく受験が終わり、校舎内から出ようとする。しかし、前の人が中々進まない。なぜだろうか。そう思い、学園の敷地内の全土を魔力感知で探ってみることに。ここがあまりにも広い分、受験生もごった返している。人混みは気持ち悪く好きではない。
絶望の一心で長らく待ち続けているとようやく進めるようになり、待望の我が家へ帰宅ができた。
私は愛しのベッドへダイブして身体がシーツへ沈み込む。
明日もまた、人混み地獄か....
と考えながら瞼を閉じた。
ここまで見てくれてありがとう!
話を作るのが下手だけどよろしくお願いします!




